メダカ センサー,そして Bioassay の話
30年ほど前,広島県に住んでいる時,広島市等の水道水に使用するための太田川取水口付近で有害な薬物が検出されて騒がれたことがあります。このとき,水道局は 対策として取水した水をバイパスさせて水槽に流し,その中に金魚を入れて24時間体制で観察して 流れる水の異常有無をリアルタイムで監視しているとういう新聞記事を読んで感心した記憶があります。
貯水池のように停留している水の検査と違って 川から取水している場合,かつ特定できない毒物に対するリアルタイムの水質検査として うまい方法だと思いました。
現在は これが進歩して 水槽を2台のカメラでとらえ ふたつの画像から魚の動きを3次元解析し,動きの異常をとらえて警報を出す無人の水質監視装置が開発されているようです。動きのパターン化とそれらの判定基準の設定がこのシステムの要ですね。
使用される魚は メーカーによって異なるようですが 「ヒメダカ」が多いようです。これには合理的な理由がいくつかあるようですが,ここでは省略します。
このような 生物によって 生物の応答を分析する方法を バイオアッセイ(“Bioassay”,bio=生物,assay=分析)というらしいです。
昔,炭鉱に持って入ったというカナリアも バイオアッセイになりますかね。
子供の頃住んでいた北九州の製鉄所の周りに ぎっしり植えられた夾竹桃の赤い花をよく見て印象的で,記憶に残っていました。ところが,新しくできた製鉄所を見学したとき,何か違うな,と思いました。夾竹桃ではなく 桜が植えられていたのです。案内のスタッフに尋ねたところ,「夾竹桃は強い植物で 少々の大気汚染が理由で枯れることはないが,桜は繊細で 空気の汚れで 生長が阻害される。この製鉄所が空気を汚染してないことをアピールするために桜を植えている。」という答えでした。昭和30年代から40年代にかけて,問題になった公害の対策を 強く進めて この直後から製鉄所の素人が見る風景も変わったということです。
この桜の木も バイオアッセイということになりますか。
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