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2008年11月26日 (水)

単位の話 (その1 “長さ”)

状況を正確に説明するためには 定量的であることが必要です。 それが個数でない限り数値には単位があります。

世の中の単位を持つ量(物象の状態)には 「計量法」(1951年 制定,1992年 改正)で規定されているもので 72 あります。この中で 全ての量の基本となる独立の量は次の七つで 『基本量』と呼ばれます。

  • 長さ:メートル(m)
  • 質量:キログラム(kg)
  • 時間:秒(s)
  • 電流:アンペア(A)
  • 熱力学温度:ケルビン(K)
  • 物質量:モル(mol)
  • 光度:カンデラ(cd)

さらに この中で 生活に関係が深い「長さ」の単位 “m” について考えました。

洋の東西を問わず,古くは 人間の身体(一部)が長さの単位の基本になっていました。 “foot”や “尺”などです。

それが 18世紀末に 地球の大きさを計測して それを基礎にしてメートルが定義されました。地球の周囲の長さ(子午線長)の 4,000万分の1 を 1m としたわけです。(その結果,地球の周囲長が 4万kmになりました。) その後,この1mを示すものさし 『メートル原器』が製作され パリの「国際度量衡局」に保管されて,これが1mの定義となりました。私は その定義が継続していると思っていましたが,その後,定義が 2回 変更になっていることを 今回 調べて知りました。

この1mの定義の歴史を整理すると-

  • 18世紀末: 地球の子午線長を測量して その4,000万分の1
  • 1889年: メートル原器 (第1回 国際度量衡総会 で国際的に採用)
  • 1960年: クリプトン86 の波長の 1,650,763.73倍
  • 1983年: 光が真空中を 299,792,458分の1秒間に進む行程の長さ

現在の定義を逆に言えば 光は 1秒間に 299,792,458m≒300,000km≒7.5×(地球の周長),子供の頃 数値を知らないまま よく言っていた 「この世界で一番速いのは光で,1秒間に地球を七周半回る。」ということですね。

現在の1mの定義は 光の速さで定義されているので 時間の定義がなければ定義できない-厳密には独立量とは言えなくなっているのです。

このような 正確な量を使わないといけない仕事をしている人が 世の中にはいるのですね。

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