« 加山雄三のアルバム | トップページ | B が大文字なのは? »

2009年1月19日 (月)

初めて泊まった外国のホテルは砦

写真を整理していたら 30年前の海外出張時に撮った写真が出てきました。

1978年4月(?)開港予定の成田空港が反対派の管制塔占拠・計器破壊などで遅れ,5月初めに羽田を発って,5月末に成田に戻ってきたのが初めての海外出張(旅行)でした。行き先はポルトガルのリスボンの南約50kmにあるSetubalという町でした。

ロンドンで乗り換えてリスボン空港に着きましたが,約束の迎えのエージェントは見当たらず やむを得ず一人で 出発前に連絡があったホテルにタクシーで向かいました。

Portugal_004

1時間ほど走って 町に入り,丘に登って「着いた。」と言われたのが石垣に囲まれた広場。「ホテルは?」と尋ねて 指差されたのが,この写真の暗い入り口,本格的に上部に『石落とし』が付いていました。

どうしたものかと思う間もなく,広場で遊んでいたアラブ系の少年がタクシーからスーツ・ケースを降ろして 走るように門に入って行きました。

Portugal_006_2

覚悟を決めて 少年の後に付いて行き 暗い階段を上ると急に明るくなり 海が見えました。

Portugal_001

確かにホテルで,海側に玄関がありました。

Portugal_002

内装は アラベスク風でイスラム文化の影響が残っており,歴史を感じました。

Portugal_008

ダイニング・ルームです。使われていたカトラリーは明らかに銀製で,朝食のコーヒー・ポットも あと一杯分あるつもりで傾けても空で,銀の重さに驚きました。

Portugal_003

丘の上に建つ城でした。

Portugal_007

港から望む 頂上にホテルが建っている丘です。

ホテルは “Pousada Sao Filipe”(ポウザーダ・サン・フィリッペ)という名前で,17世紀に建てられた砦でした。

ポルトガルには 40を超える “Pousada”と呼ばれるホテルがあって 大きく二つに分類され,ひとつは “Historical Pousada” で 古城,修道院,貴族の館など歴史的建築を改装したもの。もうひとつは “Regional Pousada”と呼ばれ 自然景勝地に建つもののようです。

このとき,2週間以上滞在しましたが,数日経ったとき 「この “Pusada”は 国民のリゾート用で 長期滞在はできない。町のホテルに替わってくれ。」と言われ,町のホテルの偵察に行ったところ 趣味に合わず,マネージャーに頼み込んで続けて泊めてもらった記憶があります。

家庭的で 居心地のいいホテルでした。夜は 従業員達が ラウンジでイタリア語のテレビを観ており,「イタリア語が判るのか?」と尋ねると 「これは教育テレビで イタリア語の勉強中。」の答え。

町の地図をホテルに置いてなかったので 町の本屋で入手しようとしましたが無く,どこにあるかと聞くと「トゥーリスモにあると思う。」(実際はこんなに簡単にはいきませんでした。) どうも役所の観光課にあるらしいと睨み,役所に行って 適当に出遭った人に「地図がほしい。」と言いました。彼は 少し考えて,私を連れて2階に行き,部屋のドアを開けました。そこは会議場で 会議の最中,壁際に立っている人に 何かささやき その人が案内してもらって やっと地図を入手できました。A4の粗末なものでした。

ホテルのダイニング・ルームは昼食時は閉まっており,休みの日,一日 ホテルで休息しようとすると 困りました。昼食のためだけに町に下りるのは面倒なので テラスにいた従業員に「何か作れないですか?」と言うと 「ビーフ・サンドイッチならできる。」とのことで お願いしました。塩,胡椒だけの味付けでしたが りっぱな昼食でした。

朝食は ルーム・チャージに含まれる完全なコンチネンタル・スタイルで コーヒー,ミルク,パンのみ。日本人の私には淋しいので 毎朝,シンプル・オムレツを付けてもらっていました。ルーム・チャージのエキストラは請求されませんでした。言ってみるものです。

町の食堂で食べた物で もっとも印象的なのは エスカルゴとは言えない「かたつむり」。塩茹でした小さ目の「かたつむり」が 皿に山盛りされ,虫ピン(待ち針?)が付いていました。ホテルに歩いて帰っているとき見た 親子が 石垣で何か獲っていたのは これでした。磯の香りがしない貝でした。石畳の歩道に置いたテーブルで 5月の大西洋からの風を感じつつ 「かたつむり」の身に針を刺して引っ張り出してつまみ,ワインを飲む,初めての海外出張としては 上出来だと思っていました。

今回,ネットで検索すると この“Pousada”は健在で 日本から予約可能になっていました。

|

« 加山雄三のアルバム | トップページ | B が大文字なのは? »

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 加山雄三のアルバム | トップページ | B が大文字なのは? »