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2010年4月28日 (水)

またしても 海賊から逃げる。

4月5日に 海賊に襲われ逃げ切ったコンテナ船を保有する川崎汽船の,今度は タンカーが 4月25日に海賊船に襲われたと 次のように報道されました。

25日午前7時15分頃(日本時間25日午前11時15分頃),川崎汽船(東京都)の子会社が所有するタンカー『ISUZUGAWA』(パナマ船籍、15万9929トン)がインド西沖のアラビア海を航行中,不審なボート2隻からの襲撃を受けて被弾した。
 タンカーは速度を上げてジグザグに航行し,約1時間後に振り切った。インド人とフィリピン人の船員計27人にけがはなかった。今年に入って日本関係船が海賊被害を受けたのは3件目。
川崎汽船によると,タンカーはサウジアラビアのラスタヌラ港から原油を積んで,日本に向かう途中に襲撃された。ボートにはそれぞれ4人程度が乗り,機関銃やロケットランチャーを撃ってきたという。この襲撃でタンカーの船尾側に1か所数センチ程度のへこみが確認された。

「15万9929トン」とありますが これは総トン数のようで 載貨重量が約30万トンの所謂 VLCC (Very Large Crude oil Carrier)で 船長 333mです。

襲われた場所は 北緯18度06分,東経 65度47分 とのことで 地図で確認すると 海賊の巣窟 ソマリアの東端から 2,000km以上は優にありそうで 小船で簡単に遠征できる距離ではなさそうです。
どこかに 新たな海賊基地を設けたのでしょうか。

VLCCが全速で走っても 満載状態でせいぜい14~15ノット程度でしょうから 20ノット以上は出ると思われる(と勝手な想像?)海賊船の1時間の追尾を振り切った,というのが不思議です。

おそらく 停船目的の威嚇発射を受け,これを無視して停まらなかったのでしょう。

かつて(今も?) 東南アジア,マラッカ海峡あたりに出没する海賊は縄梯子で乗り込んできて銃や青龍刀で脅して金品を奪う,というものでしたが,どっちにしても商船の乗組員は命がけです。
20数年前,マラッカ海峡を船で通ったことがありますが,チーフ・オフィサーに 「夜,船室のドアのロックを忘れずに。ノックされても 相手を確認して開けること。」 と注意を受けました。

日本から 紅海(スエズ運河) 又は ペルシャ湾を結ぶ航路のインド洋全海域を軍艦が警備するのは無理がありそうです。
といって 商船が自衛するというのも難しそうです。
 

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