風が苦手,自転車走行時の抵抗は-
いつも強い風が吹いている関東からUターン転勤で 広島県呉市に戻って 坂の多さに目に瞑れば 自転車に乗り易くなりました。
自転車走行時の最大のエネルギーロスは空気抵抗によるものなので 還暦過ぎ・体力/筋力軟弱な私に 風は大敵です。
風の影響を考えてみました。
空気抵抗(流体抵抗)力は 次の式で表されます。
F=1/2ρCD V^2×A
ここで
- F :抗力 (kg・m/s^2)
- ρ:(流体)密度 (kg/m^3)
空気の場合なら 1気圧,0℃で 1.293kg/m^3 - CD :抵抗係数(Drag Coefficient) (無次元)
平板なら 1.0,自動車の場合,0.3前後。スポーツカーは 0.25程度,
プリウスは 0.26 で車体もエコです。
通常,モデルを作って 風洞実験を繰り返して設計します。
最近は CFD(‘Computational Fluid Dynamics’,数値流体力学)のソフトで計算できるようになっているようです。 - V:流体速度 (m/s)
物体と流体の相対速度,物体が動いても流体が動いても同じことです。 - A:投影面積 (m^2)
抵抗を受ける方向に垂直な面の面積。
定量的に抵抗力を算出するのは CD とAを求める必要があって 正確な値を求めるのは難しいので, ここでは 相対的な 風の影響を述べます。
ρ,CD ,A が一定なら 式から 抵抗力は 速度の2乗にのみ比例することがわかります。
(式を示すのは無駄でしたね。要するに 「空気抵抗は空気と自転車の相対速度の2乗に比例する。」 と言えば済むことでした。)
このことから 私の 通常の自転車巡航速度 20km/h における風(向かい風)の影響を計算します。
V^2 の値を計算すると-
- 無風の場合:f0=20^2=400
- 風速 5m/s=18km/h,V=20+18=38km/h:f5=38^2=1,444
(風速 5m/s の向かい風の中を 時速 20km/h で走ると 無風の時に,私には不可能な,ツール・ド・フランスの登りコース平均速度(?) 38km/h の速度で走るときと等しい空気抵抗を受けます。) - 風速 10m/s=36km/h,V=20+36=56km/h:f10=56^2=3,136
無風の場合の抵抗力を 1.0 とすると
- 風速 5m/s の場合:1444/400=3.61
- 風速 10m/sの場合:3136/400=7.84
となって 20km/hで走る自転車乗りは 風速 10m/s の時,無風のときの 約8倍の空気抵抗を受けます。
又,20km/h は 5.6m/sなので 追い風 5.6m/s で空気抵抗なしで走れます。
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