「インク」 か 「インキ」 か?
適当な日本語がない場合や 固有名詞の場合,外国語をカタカナ表記するのは 止むを得ませんが,カタカナは 表音文字として 優れているとは言えないので カタカナで覚えた言葉を 正しく英語で言えないこともあります。
例えば ‘tip’ も ‘chip’も 「チップ」で,外国で ‘tip’を 「チップ」と言っては 何のことか分かりません。
だから,‘t’ は 「チー」 じゃなくて 「ティ」 だと中学1年生のように思っていたら,30数年前 初めてイギリスの飛行機(British Airways)に乗ったら 英国人搭乗員が,どう聞いても,何回聞いても 「チー・オア・コフィー?」 と言っており,驚きました。
カタカナ表記とは別に 致命的なのは 日本語に子音で終わる発音がないことです。
昔 知り合った台湾人に「あなたの英語は スペイン語に聞こえる。」と言われた私としては これには(も) 全く 自信がありません。
‘ink’を かつては 「インキ」,最近は 「インク」と表記するのが一般的のようです。
‘k’ の表記は 「ク」なのかと思うと,何故か ‘deck’ は 「デッキ」 で 「デック」とは言いません。
時々 「インキ」と書かれているのを見ると 「それはないだろう,『インク』だろう。」と思うのですが,そのまま 発音して native speaker に通じるのはどちらか,と考えると 「インキ」ではないかと最近 思い始めました。
映画で英国人が 発音しているのを聞くと,どちらかと言えば 「インキ」に聞こえます。
すなわち ‘k’で終わる単語を発音するとき ku ではなく ki を意識して できるだけ i を短く発音すると それらしく聞こえるのではないか,と ふと思いました。
ひょっとすると k の前の母音によって変わるのかも知れませんが。
所詮,カタカナで 忠実に英語の音を表すことは無理とはいえ,せめて 英語を カタカナ表記するときの約束事は決めておきたいものです。
例えば ‘format’ を 「ホーマット」と書かれると 一瞬 グリーン・ホーネットを想像して何のことか分からなくなります。
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コメント
iを短く発音するというのは、確かに伝わりやすいかもしれませんね。
しかしあなたは母音を付けなくとも発音できる方です。ただそれを伝えたかっただけ…。
投稿: yoko | 2010年6月28日 (月) 13時38分