「バルーバ」はどこに?
子供の頃,どうしても 「続き」を読みたいと思い続けて 読めなかった物語がありました。
小学校低学年,もしくは小学校に入る前に読んだ 日本(人)版ターザン 『バルーバの冒険』です。兄が持っていたこの本を 私は 1冊か2冊読んだ記憶があります。
続きを読みたい,と思いながら あまりに年少で 自分で本を買ったこともなく,まして どこの出版社が出している本かも知らず,「『バルーバ』の生い立ち」と 「『バルーバ』の結末」を知りたいと思いながら 歳月は流れ,いつの間にか忘れていました。
それから 50有余年,ある日 ふと 『バルーバ』を思い出し,ネットで探しました。
分かったことは-
- 著者は 怪盗ルパンの翻訳で有名な 南 洋一郎氏(1893~1980)。
- 「バルーバの冒険」は 昭和23年(1948)~昭和26年(1951)に5巻発行された。昭和23年は 私が生まれた年。
- 各巻の名前は 「巨人バルーバ」,「片眼の黄金獅子」,「密林の孤児」,「鉄人バルーバ」 そして 「魔境の黒豹」。(「魔境の怪人」,「鉄人の指紋」というタイトルも示されており,正しい名称不明。)第6巻として 「秘宝を追って」がある,とういう情報もあった。
- 横尾忠則氏(1936~ )は 「死ぬまでに読みたい本」というお題に対し,中学生時代に第4巻までを愛読し,第5巻が未完のまま出版社が倒産して読めなかった 「バルーバの冒険」第5巻を挙げていた。20年前に発行された 南洋一郎全集に 第5巻が収録されたのを知って すぐに入手したが,これを読んで 「バルーバの冒険」が完了すると同時に「少年の視線の灯」が消えてしまうのを恐れて まだ読んでないという。
- 「復刊ドットコム」の復刊リクエストは 現在 16票。
正確なタイトルと出版社が知りたくなって,調べると 「国会図書館」と「国際子ども図書館」に ほぼ(?)全巻そろっているようでした。その結果は-
- 『東雲堂新装社』が「新ターザン物語」,ついで「新ターザン物語・バルーバーの冒険」,最後に「バルーバの冒険」というシリーズ名で昭和23年から25年にかけて 「巨人バルーバ」,「片眼の黄金獅子」,「密林の孤児」,「鉄人バルーバ」の4巻を出し,『東雲堂書店』と名前を変えて 昭和26年に 「魔境の黒豹」を出版している。全5巻。
- 『ポプラ社』が 「新ターザン物語」というシリーズ名で昭和29,30年に 「片眼の黄金獅子」,「魔境の怪人」,「密林の孤児」の3巻を出版している。
- 『一光社』が 「新ターザン物語・バルーバの冒険」というシリーズ名で,昭和42年に 「片目の黄金獅子」,「魔境の怪人」,「密林の孤児」,「鉄人の指紋」の4巻を出版している。
- 『新生閣』が 昭和26年に 「新ターザン絵物語・バルーバの冒険」を7巻出している。上述3社の出版では 挿絵は全て 鈴木御水氏だったが,本絵物語シリーズの絵は 梁川剛一氏。「密林の孤児」と「魔境の怪人」の他に 新たに 「地底の怪人」,「魔境の金字塔」,「宝石谷の恐怖」,「密林の王者」,「密林の決闘」の 5タイトルが加わっている。
私が かすかに覚えがあるのは 「片眼の黄金獅子」で 黒いライオンも出てきた記憶があります。
その気になれば 今でも全巻読めることが分かりました,かなりの労を要するかも知れませんが。
尚,昭和30年(1955)に 大映が,この物語を元に 「ブルーバ」というタイトルで和製ターザン映画を作っています。アメリカの撮影所で,アメリカの動物を使って撮影した かなり本格的な映画らしいのですが,残念ながら観た記憶がありません。
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