『スタイリスト』の意味は?
現在の日本で 『スタイリスト』と言えば 「職業として モデルの服飾や写真撮影の準備・手配をする人」が まず思い浮かびます。
昔の意味は どこに行ったのだろうかと 調べてみました。
45年前の高校生の頃,日本語としての『スタイリスト』の意味は 「身なり・服装に凝る人」,英語 “stylist” の意味は 「文体に凝る人」で,日本語は オリジナルの意味を歪曲して使っていると 思っていました。
現在,この意味で 日本語の「スタイリスト」が使われること,使う人は ほとんどいないと思えます。
たまたま手元にあった古い英和辞典(岩崎民平編・「新簡約英和辞典」 昭和31年 第2版)の “stylist” を見ると-
①文体を練る人,文体家,名文家
②(米)衣服・室内装飾などの意匠家
「意匠家」は 米語とあって,英語本来の意味としては 所謂,服飾デザイナーに関する意味はなかったように思えます。
古い国語辞典がないので 当時,日本語としての「スタイリスト」の意味をどのように定義していたのかは分かりません。
現代の国語辞典には
①身なり・服装に凝る人
②立ち振る舞いに気を配る人
③文体に気を配って書く人,文章家
④モデルの服飾や写真撮影の準備・手配をする人
⑤デザインの方向付けをしたり,デザインをアレンジして商品ラインを具体化したりする人
とあって,考えられる全ての意味が示されていますが,現代 もっと多く使われるであろう意味は 4番目に示されています。
現代の英語ではどうだろうと “Oxford Dictionary online” を見ました。
① A designer of fashionable styiles of clothing
② A person whose job is to arrange and coordinate food,clothes,etc. in a stylish and attractive way in photograph or films
③ A writer noted for taking pains over their writing style
④ A person who performs with style (in sport or music)
writing style は 3番目で,「意匠」が1番,2番になっています。
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