タンスの配置換えをすべきか否か
寝室の枕元に置いた整理タンスが気になっていました。
高さは ありませんが,この北海道民芸家具の整理タンスは樺材の25mm厚さの無垢板を前面(引き出し)に使用しており 50kg以上の質量がありそうで,就寝中に地震で倒れると 即死とまではいかなくても 重傷を負うのは間違いないでしょう。
果たして地震で倒れる可能性があるのかどうか,転倒防止のうまい策が考えられないので 移動させるべきか否かを検討しました。
転倒は タンス質量(M)×水平に働く地震加速度(α)の水平力による転倒モーメントが タンス質量×重力加速度(g)による安定モーメントより大きくなって発生すると考えられます。
質量の中心(重心)がタンスの真ん中にあって,高さを H,奥行きを D とすると-
MαH/2>MgD/2 で転倒します。
すなわち α>D/Hg
寸法を測ると,H=117cm,D= 47cm だったので
α>0.4g となり,重力加速度は 981cm/sec^2 なので
約 392 cm/sec^2(gal)以上の地震加速度で転倒の可能性があることが分かりました。
では 392gal の加速度は どの程度の震度に相当するか,という問題になります。
震度は 加速度で定義していることは知っていましたが,対応が分からないので 気象庁のホームページで調べました。
震度と加速度は一義的には対応してないことがわかりました。
周期などの波形に関係する補正を実施するようです。
算出方法は 簡単に示すのは難しく-
① 加速度の3成分(水平×2,上下),それぞれのフーリェ変換
② 周期影響補正フィルタ
③ 逆フーリェ変換
④ 3成分波形のベクトル的合成
⑤ 絶対値 a(gal)以上の合計時間の合計 0.3 sec.となる a(gal)
⑥ I=2log a +0.94 :震度
と説明されていて,実際の波形に適用して計算します。
この処理を地震計で行なっているようです。
そこで 過去の地震波形からの概略対応を示しているサイトをいくつか確認して 392gal が ほぼ震度6弱~6強 に対応していると考えました。
前側の板が厚いので 実際の重心は奥行き方向中央より 前にありそうなので もっと小さい震度で倒れそうです。
タンスは移動させた方がいいだろうと結論を出し,すぐに 移動を実施して 完了しました。
とりあえず,これで 安心して寝ることができます。
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コメント
引っ越しの際に、そのようなことを考えずに家具配置を考えていたと思い出した。敏感に情報に触れ、自身の状況に当て嵌め、行動する。大事ですね。
投稿: yoko | 2011年3月28日 (月) 06時00分