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2011年6月12日 (日)

食べ物と,認められた文明の関係

かつて(1970年頃まで) 欧米人は ほとんど生魚を食べませんでした。
「すし」が 食べ物として世界的に認められ始めたのは おそらく 1970年代のことと思います。

最近 観たロシア映画(2000年ごろの作品?)で,「昼食には 『すし』を準備した。」に対して 「俺は オットセイ(アシカ?)じゃあない。」という会話があって,依然 生魚を全世界の人が抵抗なく食べるようになったとは言い難いようですが,それでも 代表的日本料理として 世界的に公認されていると言っていいでしょう。

何故 この40年で 「すし」(生魚)が 世界の先進国に認められた料理になったかを考えると,ひとつに 日本が先進国(文明国)として認められた,あるいは 日本人が文化的に進んだ民族であることを 認められたことが 挙げられるでしょう。

1964年に 東京オリンピックが開催され,新幹線が開通して,工業製品の輸出が盛んになったこの時期,日本の先進国としての存在が認められるのと併行して,日本料理が認められ始めたのでしょう。

単に 経済・産業のみでなく 文化の面でも 例えば-

小澤征爾さんが シカゴ交響楽団の指揮を執ったのが1964年,ボストン交響楽団の音楽監督に就任したのが1973年,
川端康成さんが ノーベル文学賞を受賞したのが1968年,
流政之さんの彫刻 「雲の砦」が 世界貿易センターに飾られたのが1975年-

と この時期,日本人が世界的に認められています。

「みかけ」や「味」と共に,その料理が どの国のもので,どのような人々に食べられているものであるかは,初めてその料理を口にしようとする人には重要な要素と思われます。

例えば 「『タルタルステーキ』は食べるが,『ユッケ』 は どうも ・・・」 というのは 感覚的には あることでしょう。

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