主語は聞き手の自由に-
日本語は 主語の省略がありがちで, 時折り,何が言いたいのか分からないことがあります。
その 「あいまいさ,婉曲が 日本語のいいところだ。」 などと言う人もいるようですが,100人中100人が同じ解釈をするような省略は構いませんが,私の性格上 許せない省略もあります。
特に若い頃は,会社の会議での 曖昧な発言に対し,「その主語は何ですか?」 などと聞いて 年長者の反感を買うこともありました。
-という私も,自分が日本語で書いた技術論文を 英文にしようとして 日本文に主語がないことに気付いて 驚くことがあり,自分も日本人だと納得することがありました。
通訳を介して話す機会には 通訳の困惑と,誤訳の危険を避けるために,主語・述語・目的語を意識することを心掛けました。
先日,広島のローカルTV局の番組で 安佐動物公園の紹介をしており,その中で 新聞社の解説員のコメンテーターが 「上野動物園の年間入場者の 300万人強に対して,安佐動物公園のそれは 50万人強で 1/6ですが,人口を考えると 変わりませんね。」 と言い,ややひっかかりました。
述語「変わりませんね」 の主語は何でしょうか?
「人口(どこの?)当たりの 入場者数は変わらない」 の解釈が妥当でしょうか。
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コメント
最後の話の場合は、主語が必要だと思います。なんとなくそのリポーターの意図したことはわかりますが、友人と会話しているのとは違い、明朗さが必要でしょう。
投稿: yoko | 2011年9月 5日 (月) 20時19分