「余暇」という言葉に納得し難く-
会社勤めを始めた若い頃,会社が 「余暇」と言う言葉をさかんに使うのに抵抗がありました。
例えば 「余暇の有意義な過ごし方」などというものです。
確かに サラリーマンは,ほとんどの時間を会社での労働に費やし,残りの時間は余った時間のようなものでしょうが,それを会社に言われる筋合いはないと思っていました。
会社から離れた時間は,その長さは短いものの,個人にとっては 会社に拘束されない自らの重要な時間であって,それを 会社が 「余暇」と言うのは余計なお世話だと思っていました。
国語辞典で「余暇」と引けば 「余った暇な時間。仕事の合間などの自由に使える時間。仕事と仕事の間の暇な時間。一日のうち労働の合間に生じる空いた時間。休息時間。」
などと出てきて,ほとんど 労働を中心とした生活上の言葉として定義されています。
そう考えれば,会社に非はないでしょうが,それでも 何故か 引っ掛かります。
英語 ‘leisure’の和訳として 昔,誰かが「余暇」を あてたのでしょうが,失敗だと思います。
「リタイアしたら 全ての時間が余暇になる。」
-には 賛同できません。
労働時間があっての「余暇」だとすれば 定義に合いません。
「人生の余暇」とするのは淋しすぎます。
リタイア前の労働時間外の時間と,リタイアしてからの全ての時間には 長短の違いはあるにしても,質的な違いがある(もしくは あって当然)とは思えません。
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