ポルトガルで 「ファド」を-
火曜日に NHK BSプレミアムで,子供時代をブラジルで過ごしたボサノバ歌手の小野リサさんが,ポルトガルで ファドを歌う企画の番組 ‘旅のチカラ 「二つの祖国を結ぶ魂の歌/小野リサ/ポルトガル」’ を観ました。
現地のファドの歌手や 伴奏のギタリストの教えを受けながら練習し,最後に 現地の素人が飛び入りで歌える店で練習の成果を披露する顛末のドキュメンタリーでした。
歌う前に 指導した男性歌手が ギタリストに 「彼女は声が小さいから…」 と言い,実際 ファドの歌い手としては 声量が不足気味 (囁くように,語るように歌うボサノバとは異なるので)でしたが,ポルトガル語ができるので感情はこもっていたと思われ 聴衆の拍手を受けていました。
ファド(FADO)は ポルトガルの民族歌謡で,歌を聞いたことがなくても 代表的歌手だった「アマリア・ロドリゲス(1920~1999)」の名前を知っている人は多いでしょう。
30数年前の夏,ポルトガルのある港町に仕事で 3週間滞在したとき,初めてファドを聴く機会がありました。
薄暗い ‘Casa de Fado’ と呼ばれるレストランで,黒い衣装に 黒いショールの女性歌手に歌われるファドは,初めは静かに,そして切々と,時に浪々と続き,叫びのような歌声で,それまで知っている歌曲では考えられない突然のエンディングを迎えます。
ポルトガル語の歌詞が分からなくても 「運命」,「宿命」を意味する ‘ファド’の重厚さに感動し,一人 感動の余韻に浸りながら 乾いた空気の中で瞬く星を見ながら夜道を丘の上のホテルまで歩いて帰った記憶があります。
アマリア・ロドリゲスのCDを探しましょう。
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