家具転倒防止用チェーンの強度検討
CD,DVD収納用に買った棚の地震対策として アイリスオーヤマの 転倒防止チェーンをネットで購入しました。
チェーンの耐荷重(計測引っ張り強度)として 60kg が表示され,確かに 重さがあるしっかりしたもので 大人がぶら下がっても耐えそうです。
取り付け金具を付ける壁と棚の材質などの強度条件が不明なので メーカーとして言えるのは チェーンの強度だけです。
このチェーンが どの程度の地震に耐えられるか試算してみました。
まず,チェーンの取り付け角度が問題です。
我が家では 隙間の関係で かなり鋭角になりそうですが,強度的には好ましいので ここでは参考に45度としましょう。
耐荷重 60kgのチェーンを45度に取り付けた場合の水平耐荷重は
R≒60×0.7×980=41,160 kg・cm/s^2 になります。
(kg は質量なので 重力加速度を乗じて 力にします。)
地震による水平力は 棚の質量:M(kg),水平方向の地震加速度:α(gal=cm/s^2)として
P=Mα
棚の奥行きが小さいので 重力加速度による安定モーメントを無視し,基部は滑らない,棚の重心は 高さ中央-と仮定すると,地震力と,チェーン 2本による抵抗力のモーメントの釣り合いは 棚の高さをHとして
Mα×0.5H=41,160×2×H
α=164,640/M となり,
棚の質量を 100kg とすると 耐えられる 地震の水平加速度は α≒1,646 cm/s^2(gal)で 重力加速度の1.68倍(G)になりました。
安全率を考慮しても 震度 6~7程度に充分耐えられそうです。
この計算で気がかりなのは 金具取り付け部分の強度で これは何ともしようがないので信じましょう。
もうひとつは,基部が滑ることです。
上の計算は 基部が滑らず モーメントの支点になるとしているので滑ると成立しません。
水平力が作用して トップが動かなければ 基部が動こうとするはずです。
基部が動こうとしたとき,棚トップの水平移動が抑えられていると トップは下方に移動することになり,チェーンと壁により支持される,と考えて 良し,とします。
しかし,できるだけ 基部の摩擦力を大きくするため,レベラーは摩擦係数の大きい材質である方がいいでしょう。
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