門司港からTyrell FXで西に向かう途中にあった 赤煉瓦の建造物は-
5月1日,風が強いものの 雨が上がったので 1泊した門司港から 国道199号を Tyrell FX で西に向かいました。
門司駅付近で 巨大な 赤煉瓦の建物が目に入りました。
赤煉瓦マニア(?)の私としては そのまま通りすぎることはできませんでした。
これは何?
ほとんど人気のない付近を歩いてみました。
この場所を 「門司赤煉瓦プレイス」(開業:2005年~2006年)と言うようで,この建物は 「旧サッポロビール醸造棟」であることが分りました。
1913年(大正2年)に 帝国麦酒(株)が建設,「サクラビール」のブランドで製造,1949年(昭和24年)に日本麦酒,1964年(昭和39年)サーッポロビール と合併して名前は変わりましたが,2000年までは現役だったそうです。
隣には 赤煉瓦ではない灰色の煉瓦の建物があります。
帝国麦酒(株)の事務所棟として建てられ,現在は 「門司麦酒煉瓦館」として 各種資料が展示されており,観覧料 100円でした。
この建物の煉瓦は 八幡製鉄所から出される「鉱滓」(スラグ)を材料とした 「鉱滓煉瓦」で,日本・現存最古の 「鉱滓煉瓦建築」だそうです。
(*「鉱滓」の正しい読み方は「こうし」であり,「こうさい」は 所謂「百姓読み」(大変 失礼な言い方で 死語)でしょうが,もはや 「こうし」では辞書変換が利かなくなっていて驚きました。「こうし」 と読むと モノを知らない年寄りだと思われる時代になったようです。
と,言っても 世間に迎合して 「慣用読み」をするのには抵抗があるので,やはり,モノを知らぬ頑固な年寄りにならざるを得ない,という喜劇に落ち着きそうです。)
昔のポスターなどと一緒に 「ビール会社系譜」がありました。
「帝国麦酒」が いつ「サッポロビール」になったのか?
東京の 「恵比寿ガーデンプレイス」で 「恵比寿ビール」と 「サッポロビール」が一緒になったのは知っていましたが,「帝国麦酒」と「恵比寿ビール」の関係は?
-など 勉強になりました。
「アサヒビール」が この系列から戦後 分れたことも知りました。
建物裏手に ‘ROSE COURT’というカフェがあったので,バラを見ながらコーヒーを飲もうと 開店の11時まで待ちましたが,休みでした。
尚,映画「K-20」の撮影場所として使われたことを 後から知りました。
「若松・上野海運ビル」,「福岡・九州大学 箱崎キャンパス」は知っていましたが,ここは気が付きませんでした。
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コメント
確かに、百姓読みという言葉はあなたの口からしか聞いたことがありません。
もう少々、学びたいものです。
投稿: yoko | 2012年5月 7日 (月) 09時03分
八幡製鐵所の八幡地区と戸畑地区を結ぶ専用鉄道を 昔 「コウサイ線」と呼んでいました。
「コウサイ」とは何だろうと 約45年前に調べた時に 「鉱滓」(こうし,慣用読み:こうさい)を知りました。
八幡から戸畑に「鉱滓」(戸畑地区の埋め立てに使用),戸畑から八幡に「銑鉄」を運んだ鉄道です。
今,調べると 「くろがね線」になっています。1972年に 正式名「炭滓線」(1930年開業時から)から改名されたようです。
「炭滓」は「鉱滓」と同義でしょうね。
これは 「たんし」or「たんさい」?
投稿: pink-sloth | 2012年5月 6日 (日) 09時25分
残滓はザンシと読むことは知っていますが、鉱滓をコウシと読んだことは恥ずかしながら知りませんでした。広辞苑や学研の国語大辞典にもコウシの慣用読みとありますね。冶金のエンジニヤではありますが、小生が学んだときには既にコウサイと読まれていました。何時頃からそうなったのかねー?
投稿: hirosuke | 2012年5月 5日 (土) 21時29分