「キソン」 か 「キゾン」か?
既存は「キゾン」,依存は「イゾン」と,何の疑いもなく 数十年間 言ってきました。
最近,と言っても この5年 あるいは 10年,テレビで 「キソン」 あるいは「イソン」と言う人が 急に現れた感じがして,気になり始めました。
その前は 一切 気にならず 「キソン」 や 「イソン」 と言っている人がいたかどうかの記憶さえありません。
もし いれば 気になったはず。
調べると 「キソン」,「イソン」が正しい,と辞書にありました。
50余年間,疑いもなく,辞書で確認することもなく 「キゾン」,「イゾン」と発音して 何の違和感も感じることもなく,読み方が間違っている,と言われたこともなく,「イソン」,「キソン」 の読み方の可能性を考えたことさえありませんでした。
最近,テレビを見ていると, 大雑把には,アナウンサーは 「イソン」,「キソン」と言い,それなりに 歳をとった人は 「イゾン」,「キゾン」 と言っているようです。
「原則からすれば,『イソン』がオーソドックスですが,『イゾン』も間違いとは言えず,近年はそのように読む人が増えてきているようです。」と書いてあるサイトがありますが,これには賛同できません。
私の感覚からすると,「原則からすれば 『イソン』がオーソドックスですが,『イゾン』も間違いとは言えません。近年は オーソドックスに『イソン』 と読む人が増えてきているようです。」となります。
この「近年」とは この10年足らずのことで,それ以前の50数年間,「イソン」と聞くのは稀だったように思っています。
近年,放送局が 一斉に 「正しい読み方をしよう」というキャンペーンをはって 「イゾン」ではなく「イソン」とアナウンサーに言わせ始めたに違いない,と密かに思っています。
では正しい読み方はどうなのか,「存」は 全て「ソン」が正しいのか,と調べると そうではないようで
「ソン」: 既存,依存,現存,厳存,共存,残存
「ゾン」: 温存,保存,生存,実存,異存,一存,異存
ーとなっていて,もっともらしい説明では,「ある」の意味の場合は「ソン」で,「思う」の意味の場合は「ゾン」としています。
しかし「温存」,「保存」,「生存」,「実存」は 「ある」ですが「ゾン」です。
還暦を過ぎて,今更 使い分けを覚えるのは大変なので,これまで通り 全て 「ゾン」でいきます。
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