身体の大きさを考える。
ロンドン・オリンピック開幕が近付きました。
そこで,何となく考えました。
同一人種ならば,寒い地方の民族の方が身体が大きい(背が高い)のが普通です。
すなわち,北欧の人は一般に背が高く,中国でも東北部は ファッションモデルの出身地として有名で 背が高い人が多いようです。
この理由は,寒い地方では体表面積(単位体積当たり)が小さい方が 体温の放射が少なくて生きるのに有利なためと言われます。
簡単に言えば 体内蓄熱量(C)は身体の体積に比例し,体積は身長の3乗に比例するのに対し,体表面積(A)は 身長の2乗に比例するので,単位表面積当たりの体内蓄熱量は
C/A∝L^3/L^2=L
となって 身長に比例して大きくなり,寒い地方では身長が高い方が生存に有利ということです。(簡単でもない?)
では身体の強度の面から 身長を考えてみましょう。
ここで考える力(P)は体重(∝体積)とし,骨 あるいは 筋肉の体重による応力(度)を考えます。
直応力(σ,「引っ張り」 あるいは 「圧縮」)の場合,応力は断面積(A)に反比例するので-
σ∝P/A∝L^3/L^2=L
曲げ応力は モーメント(P×L,力×レバー)に比例し,骨や筋肉の断面係数(z,長さの3乗に比例)に反比例するので-
σ∝P×L/z∝L^4/L^3=L
となって 「直応力」も 「曲げ応力」も 身長に1次比例して大きくなり,相対的に,強度的に弱くなります。
すなわち 全く相似形の人間がいれば 身長が大きい人の方が 強度的に厳しいと言えます。
アンドレ・ザ・ジャイアントの脚が弱点だったのは合点がいきますね。
又,キングコングがゴリラの相似形で 骨と筋肉の強度的組成が同じならば 生存するのは不可能になります。(もし 身長が10倍なら 骨と筋肉の,体重による応力もゴリラの10倍となるので,骨も筋肉も耐えられない。)
次に 運動能力を比較するため 全く相似形で 同じ筋肉組成の身体を持つ 身長が異なる二人の短距離ランナーを考えます。
速さは ストライドと ピッチに比例し,ストライドは身長に比例し(筋肉組成が同じなので),ピッチは身長に反比例します。
答えは 簡単です,それぞれの 比例定数が分からないので 解不能。
ウサイン・ボルトの走りを見て,運動能力からの身長の限界など,色々,考えるオリンピックとしましょう。
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