三大 気になる日本語
言葉は変化するものであることを認めないわけではありません。
江戸時代の言葉を今聞けば 違う意味で使われている場合も多いでしょう。
ーと,知りつつ,言葉に対する自らの感覚に拘りを抱いて,いつの時代にも 言葉の変化に対応しなかった人間はいるものだと開き直り,変化に抗おうとしています。
1.「させていただく」
「・・・説明させていただきます。」 や 「始めさせていただきます。」など 「~させていただく。」は慇懃無礼で,耳障りです。
そう言わない人の方が少なくなり,今では 1割を切った感じさえするほどです。
30年前は こんなことはなかったと思います。
「説明します。」あるいは 「説明いたします。」で充分なところを, 「・・・説明させていただきたい,という風に思います。」 と,勿体ぶった言い回しを聞くと その人の品性さえ疑いたくなり,その後の話を聞く気を失くします。
止んごとなき方の許可を得て実施する場合ならいざ知らず,予定通りに,特に仕事として行なうことに 「させていただく」は耳障りです。
絶対に 「・・・させていただく」 とは言わないつもりですが,世の中の風潮に流され,慣らされて,つい言ってしまうのではとの強迫観念があって,挨拶の出だしに注意します。
「説明します。」 あるいは 「始めます。」と言って,ほっと一息つきます。
2.「してあげる」
世間では 謙譲語から丁寧語に移りつつあるとと感じますが,断固 「謙譲語」としてしか使いません。
世間から,粗野な言葉を使うオヤジだと思われようとも,謙譲語が不要な場合,ニュートラルにして 乱暴な言葉とは思ってない 「してやる」 で通します。
「餌をあげる」でも耳障りなのに,無機物に対して 「・・・してあげる」(例えば ‘包丁を研いであげて・・・’など)と言う人が現れる状況に至り,「包丁」に対して謙る(へりくだる)精神の持ち主は,どれだけ卑しい人間なのか,と思いつつ,こうなれば 意地でも 本来の使い方に徹します。
(*例は,誰かのためでなければ 「研いでやる」でもおかしい。)
3.「~ の方」
「~の方」と言うと 丁寧に聞こえるという錯覚からか,いつの頃からかレストランの外でも蔓延しています。
「方向」でも 「比較」でもない 「~の方」は耳障りです。
と思いつつも 油断すると つい言ってしまう恐れがあるので,「私が説明します。」を 「私の方から説明します。」と言わないように,これも注意が必要です。
次点. 「~ になります。」
「します。」を 「させていただきます。」と言うのと同様,丁寧に言うつもりで 「です。」を 「なります。」 と言う人が増えています。
(ファスト)レストランの 「こちら,ステーキになります。」から始まったような気がします。
「既に ステーキになっているじゃあないか。持って来たハンバーグを,じっと見ていたら そのうち ステーキになる,というのなら分るけど・・・。」などと絡むつもりは全くありませんが,一度 言ってみたい気がします。何を言っているのか理解できず,電話されそうなので実行はしません。
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