やっと 「バルーバの冒険」が読める。
リタイア後の日課として「図書館通い」がトップ3 に入るようで,それではと,「日課」とまでいかないまでも,試しに 呉中央図書館に行ってみました。
「図書館利用者カード」は 20年以上前,家人がよく本を借りていたころ,自分のカードだけでは借りる冊数が限られると,私の名前でカードを作っていました。
さて,図書館で何を借りようかと考え,ふと 子供の頃,読んで 続きを読みたいと思いながらそのままになってしまった 「バルーバの冒険」を思い出しました。
作者・南 洋一郎(「怪盗ルパン・シリーズ」で有名)で検索し,ルパン・シリーズなど翻訳物を除いて,3冊を選んで借りました。
(3冊とも 閲覧可能な書架には置いておらず,スタッフが書庫から探し出してきました。)
・「猛獣征服ー吼える密林」・・・昭和8年,‘大日本雄辯會講談社’刊 を,‘愛蔵復刻判少年倶楽部名作全集’として講談社が 昭和45年に復刻発行したもので,これは 「バルーバの冒険」ではありません。
・「少年小説大系 第6巻:南 洋一郎/池田宣政集」・・・1988年 三一書房 発行。池田宣政(いけだ のぶまさ)は 南 洋一郎の本名・池田宜政(いけだ よしまさ)で講談社に投稿,採用されたときに誤って使われて,そのまま筆名となったもの。
・「少年小説大系 第20巻:南 洋一郎集」・・・1992年 三一書房 発行。
第6巻 に 「バルーバの冒険」の第一巻から第四巻が収録されています。
第一巻 片眼の黄金獅子(きんじし)
第二巻 巨人バルーバ(=魔境の怪人)
第三巻 密林の孤児
第四巻 鉄人の指紋(=鉄人バルーバ)
(出版社によって タイトルが変わっている巻があります。)
第20巻には 「バルーバの冒険」の第五巻と完結篇が収録されています。
第五巻 魔境の黒豹
完結篇 秘法を追って
これで完全です。
4年前に 弊ブログで ‘「バルーバ」はどこに?’と題して書いた時に,次の文を載せました。
「横尾忠則氏は 『死ぬまでに読みたい本』という お題に対し,中学生時代に第四巻までを愛読し,第五巻が未刊のまま出版社が倒産して読めなかった『バルーバの冒険』 第五巻を挙げていた。20年前に発行された南洋一郎全集に 第五巻が収録されたのを知って,すぐに入手したが,これを読んで 『バルーバの冒険』が完了すると同時に 『少年の視線の灯』が消えてしまうのを恐れて まだ読んでいないという。」
横尾忠則氏は 1936年生まれで 私より12歳上です。もう読んだでしょうか?
第五巻 の他に 「完結篇 秘法を追って」 が存在していることを初めて知りました。
横尾氏はご存じでしょうか?
巻頭に 各巻のオリジナルの挿絵のいくつかが掲載されていました。
記憶にあるのは 第一巻 「片眼の黄金獅子」の挿絵で, 特に 上の絵(鈴木御水氏)を完全に覚えていました。
他の巻の挿絵の記憶がないのは,子供の頃,読んだのは 第一巻だけだったということでしょう。
これから 2週間,60年近く前に タイムスリップします。
(補足) 一体 ‘バルーバ’とは何者?と疑問をお持ちの諸兄のために,第一巻に記された 「はじめに」 を紹介しておきます。
「ターザンはイギリスの貴族のあかんぼが密林でそだったのだが,ターザンはほかにもいる。
しかも,それは日本婦人とアメリカの大学者との間に生まれたあかんぼで,それがアフリカの密林のおくで,ふしぎな大ライオンやチンパンジーにそだてられ,すばらしい怪力と,すぐれた知恵をもった密林の巨人となったのだ。
その名をバルーバという。バルーバというのは,チンパンジーのことばで 『えらいやつ,すごく強いやつ』 という意味だそうだ。
・・・・ 」
「ターザン」に対する「バルーバ」の関係は,「スーパーマン」に対する 横山光輝氏の 「レッドマスク」の関係と ほぼ同じということです,かな?
【追記:2017/10/6】 2017年9月下旬から 突然 このページへのアクセスが発生するようになりました。 何が理由なのか不明です。知りたいものです。
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コメント
私も小学生の時にドキドキしながら読みました。ニューヨークに行って、ジャングルに帰還するところまで読んだのですが、やはり、最後が気になります。
投稿: Ken | 2021年3月27日 (土) 07時08分
題名と獅子が襲い掛かる挿絵は覚えています。
投稿: hirosuke | 2014年1月26日 (日) 19時50分