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2014年4月 9日 (水)

メニュー不当表示問題に関連して

消費者庁は3月28日,昨年末にホテルや百貨店などで多発した「表示と異なる食材が使用されていた偽装問題」に関して,「メニュー・料理等の食品表示に係る景品表示法上の考え方について」成案を発表しました。言葉に厳密でありたいと思う私は結構なことと思います。

これに関連して 前々から 気になっている食材(食品)の名前が いくつかあります。

(以下,情報は 主に ‘Wikipedia’から)

葛(くず)粉/餅
「‘葛粉’とは,マメ科のつる性多年草,秋の七草の一つ葛の根から得られる澱粉を精製して作られる食用の粉である。」と定義されます。

ところが,葛粉と称して一般に売られているものはジャガイモ,サツマイモ,コーンスターなどの澱粉を混入したものが多く,業界では,「業務用並葛」とはサツマイモ澱粉100%の物を言うようです。

葛粉100%のもは 「本葛」 と呼ばれていますが,これは本末転倒で,「葛粉」は「葛粉」であって,そうでないものを別の名前とした方が自然のような気がします。

「本葛」と言う以上,違いが分る人がいそうです。

片栗(かたくり)粉
かつては文字通り,ユリ科の片栗の根茎から製造した精製した澱粉の粉のことでしたが,近年ではジャガイモから製造されています。

自生片栗の減少,また明治以降,北海道開拓が進みジャガイモが大量栽培されるようになって,代用原料としてジャガイモに切りかわっていきましたが,名称は「片栗粉」として そのまま残ったようです。

「片栗」を原料として作った「片栗粉」を知らないので その差が分りません。
「本片栗粉」という言葉がないので,世間は気にしてないようです。

因みに 「片栗粉」は英語では ‘starch’で,‘starch’は辞書で 「糊」,「(小麦)澱粉」 とあります。

コーンビーフ (corned beef)
牛肉を塩漬けにした食品です。

日本では 牛肉 100% を 「コーンビーフ」,他の肉を主原料とするものを 「ニューコーンビーフ」と呼んでいました。
「ニュー」を付けても 「ビーフ」でないものを 「ビーフ」と呼ぶのはまずいだろうと,長い間 思っていましたが,いつの間にか変わっていました。
*‘corned’なので 「コーンビーフ」が自然ですが,何故か 「コンビーフ」と言います。

「ニューコンビーフ」は 食糧不足だった1950年(昭和25年)に,馬肉を中心とした雑肉を主原料とする缶詰が開発され,発売元の野崎産業の社名を冠して「ノザキのニューコンビーフ」という名前で発売したのが始まりとのことです。

ところが,2005年に JAS法が改正され,JASにおける缶詰の表示を定めた 「畜産物缶詰及び畜産物瓶詰品質表示基準」も改正され,これによってコンビーフの名称は牛肉100%の物のみに使用するよう制限され,馬肉など他の肉が使われている物は 「コーンドミート と表記するように定められました。
2006年3月の法律施行にあわせ,「ノザキのニューコンビーフ」は 「ノザキのニューコンミート」と商品名が変更されたそうです。

「ビーフ」ではないものを「ビーフ」と呼ぶことを規制するのに 55年かかりました。

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