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2014年4月14日 (月)

「エイセイボーロ」とは?

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‘(株)西村衛生ボーロ本舗’(京都市中京区)の「エイセイボーロ」です。

エイセイボーロ」という言葉(商品)を初めて知りました。

ホームページには 「明治26年に『エイセイボーロ』専門店としての創業」と,「エイセイボーロ」 を まるで普通名詞のように記述しています。

「ボーロ」とは Wikipedia によると 「焼菓子の一つであり,南蛮菓子の一つである。ボーロとはポルトガル語で 『ケーキ』を意味し,小麦粉(そば粉や片栗粉も使ったものもある)に卵,砂糖などを加えてこね,成型してから焼き上げたもの。一般的にはカリッとした軽い歯ざわりと口中でさらりと溶ける食感が特徴である,・・・。日本には16世紀にポルトガルから伝えられた。」と定義されおり,小粒のものは 商品名を「乳ボーロ」,「たまごボーロ」,「ミルクボーロ」,「ベビーボーロ」など様々な名称で広く市販され,それぞれの地方・メーカーの商品名がそのまま普通名詞になっているようで,全国的普通名詞は存在してないと思われます。

この 京都での 「エイセイ(衛生)ボーロ」がどこから来たものか,考えてみました。

まず,「離乳食」として赤ん坊に食べさせたところから 「衛生」に繋がったと思われます。
「チチ(乳)ボーロ」も 同様と思います。
私の母親は 「チチボーロ」と言いました。関東では通じないと思われ 上品に「ミルクボーロ」と言われるでしょうが,おそらく九州では「チチボーロ」が 普通名詞として通じると思います。

更に 「西村衛生ボーロ本舗」が創業された明治26年頃,「衛生」という言葉が流行していたと考えます。
因みに 内務省衛生局が設けられたのは 明治8年で,おそらく それ以前は ドイツ語(英語) ‘hygiene’の訳語としての 「衛生」という言葉は日本語にはなかった,あるいは一般的ではなかったものと思われます。

hygiene’の訳語として 「衛生」を採用したのは 内務省衛生局の初代局長にして東京医学校(現東大・医学部)校長の 長與 專齋 だそうです。
彼は 明治4年,岩倉遣欧使節団の一員として渡欧して,ドイツ,オランダの医学,衛生学を視察しています。

では,何故 ‘hygiene’の訳語として 「衛生」を選んだのか,その語源はどこにあるのかとなります。

これは 荘子の庚桑楚篇にある 「老子曰く 『・・・赤子はこのようにして,歩いてもどこに行こうという心がなく,常に何かをしようという考えもない。全て自己のおかれたままに物と順応して,自然の成り行きにあわせ,波に揺られるように生きているのである。これこそ生命を全うするところの衛生の常法である。』」 からの適用とのことで,「衛生」は 「養生,与えられた生命を全うすること」として遣われていました。

この時代の知識人にとって 漢文は当然の素養だったので,多くの外来語に漢字が当てられ,それが現在,中国や韓国でも遣われています。
(韓国で 漢字を廃止したのは 日本起源の漢字語=日帝残滓を消すためと言われています。)
西洋文明化した現在,日本発の漢字語を廃止すると 中国も韓国も大混乱になるということです。

正直なところ 「エイセイボーロ」の名前に,何か おどろおどろしさを感じます。
おそらく 昭和20年代まで開かれていた 「衛生博覧会」に対する怪しげな記憶が微かに残っているためと思われます。

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