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2014年5月14日 (水)

竣工間近のビルが傾いた。

Buildc
韓国のメディアが伝えていました。

5月12日午前8時過ぎ,忠清南道・牙山で建設中だったビル(事務所兼住居用)が突然右に約20度傾き,崩壊が懸念されている。工事現場には作業員がいなかったため,けが人はいなかった。ビルは7階建てで,昨年8月に着工し,5月末の完成を目指していた。警察や消防当局はビル周辺を封鎖するとともに,工事関係者らを対象に原因を調べている(牙山消防署提供)=(聯合ニュース,2014/5/12)

建設地はもともと水田だったようです。
地震でも台風でも洪水でもなく,単に 基礎地盤の問題で予兆なく(?)傾きました。

上の写真の右のビルが傾いています。左のビルは直立しています。

Builde

反対側からの写真です。

Buildb 「右に傾いた」 とあるのは どちらが正面か,の問題であって 「横に傾いた」が正確です。

ビルの奥行きが不明ですが,写真から奥行き(前後)の方が短いと思えるので,前後方向に傾けば 倒壊した可能性が高いでしょう。

解体・撤去するしかないでしょうから,手間・解体時の危険性を考えると 人身事故にならなければ 一気に倒壊した方がよかったのかも知れません。

Buildd 隣のビルの状況は分りませんが,全く同じ設計のビルのようなので基礎工事も同じでしょう。
「精密点検の上で撤去するかどうか決める。」 としています。
「問題ない。」 と結論が出ても,怖くて住めないでしょう。

同じ設計と思われる隣のビルの写真から 1階は駐車スペースでピロティを採用しており,壁による力(構造自重)の分散が期待できず,少ない本数の柱に集中する力に対する地盤(基礎)強度が考慮されてなかったということでしょうか。
そもそも 駐車場を地下に設ける初期設計を変更して1階を駐車場にしたらしいのですが,7階建てのピロティというのがあり得る構造なのか疑問です。少なくとも 地震の水平加速度を考えているとは思えません。
ーと,素人ながら考えましたが,設計・監理担当と建築許可を与えた建築のプロ達は どのように考え,構造計算を実施したのでしょうか。

(写真は 「聯合ニュース」,「中央日報」,「朝鮮日報」 から)

*追記*
【疑問に思うこと】
添付の左に傾斜している写真の 4~7階の窓枠コンクリートの左上コーナーに亀裂が見えます。
建物が傾斜した場合,いくら基礎の問題であっても 建物自体が(微小でも)菱型に変形し,窓開口も菱型になると思われます。
この写真の場合,窓の開口の左上コーナーは ‘90°-α’,右上コーナーは‘90°+α’の変形をし,左上コーナー部は「圧縮」,右上コーナー部は「引張り」の力が働きそうです。
調べると,コンクリートの強度は「圧縮」が「引張り」の10倍以上大きいので 「亀裂が発生するのは 引張りが働く右上コーナー部」が自然ですが,実際は 逆です。
更に 左上コーナーから発生した亀裂が 何故か右上に進展しています。
この理由が分りません。

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