「ジャッカルの日」を久し振りに観た。
NHK BSプレミアで 「ジャッカルの日」(‘The Day of The Jackal’,1973)を観ました。
映画館で観たのが 約40年前,その後 TVで吹き替え版を観ています。
フレデリック・フォーサイス(‘Frederick Forsyth’,1938~ )の原作(1971)による 「謎の殺し屋,コード名 ‘ジャッカル’ の ドゴール大統領暗殺計画と,それを阻止しようとするフランス警察の話」であることは覚えていますが,今回 40年ぶりに字幕で観て フランスが舞台なのに台詞が ほぼ全て英語だったことに驚きました。
制作は 英国と仏国です。
時は1963年,前年 ドゴール大統領の第五共和制フランスがアルジェリアの独立を認めたことなどに不満を持つOAS(‘Organisation de l'armée secrète’,秘密軍事組織)がドゴール大統領暗殺を企てました。ジャッカルは OASに雇われた暗殺者です。
映画は 派手なアクション・シーンはありませんが,ドキュメンタリータッチで緊迫感をもって描かれます。
映画自体に,当時としては 新しさを感じたものですが,久し振りに観て 映っているものに懐かしさを感じました。
ドゴール大統領も乗る,ずらりと並んだ公用車は,1955年に発表された,技術,デザイン共先進の名車の誉れ高い「シトロエンDS」。
「T型フォード」,「BMCのミニ」と並んで 20世紀の3大名車に選ばれることもある車です。
‘Drag Coefficiet’が 0.3 を切っているのではないかという空力デザインです。
当時(小学生の頃?) 何かで読んだ,「20年間,モデルチェンジを必要としないデザイン」 とメーカーが言い切ったことと,「油圧による車高調整」が 記憶に残っています。
「ジャッカル」が 変装のために準備する 「染毛剤」を入れておく容器が ‘Old Spice’です。
陶器 あるいは不透明なガラスで 中が見えないので選んだのでしょう。
1970年代の一時期,このボトルのデザインが気に入って ‘After Shave Lotion’などを使っていました。
最近,見なくなりました。
イタリアからパリに向かう 「ジャッカル」が乗っていたのは,「アルファ・ロメオ/ジュリエッタ・スパイダー」 (‘Alfa Romeo Giulietta Spider’)おそらく 1961年モデル(?) です。(原作では1962年モデル)
映画に一瞬映る,1961年に発売開始されて 女優に人気があった(?) 「ジャガー/Eタイプ」のエンジンが 3800ccの排気量だったのに対し,「ジュリエッタ・スパイダー」は 1300ccのライト・ウェイト スポーツ・カーでした。
フランス入国時に ナンバーと 「白いオープン・トゥーシーター」に乗っていることがフランス警察に知られた情報を入手し,色とナンバープレートを変えますが,事故を起こして 車を変えます。
全部屋のドアの前に置かれた靴です。
1970年代,「寝る前にドアの前に靴を出しておけば 磨いておいてくれる」 と海外旅行ガイドブックに確かに書いてありました。今は知りません。
実行したことはないし,外国のホテルで 廊下に置かれた靴を見た記憶も ほとんどありません。
尚,リチャード・ギアとブルース・ウィリスが共演し,この映画のリメイクという触れ込みで作られたアメリカ映画 「ジャッカル」(‘The Jackal’,1997)は,「謎の暗殺者と,その計画を阻止する官憲」というコンセプトのみが同じで,他は ほぼ異なる話なので,フレデリック・フォーサイスは 自身の原作からの翻案と認めておらず,従って エンドロールに その名はありません。
タイトルも 当初,オリジナルと同じ ‘The Day of The Jackal’とする予定でしたが,オリジナルの監督 フレッド・ジンネマン(‘Fred Zinnemann’,1907~1997) のクレームにより ‘The Jackal’になったそうです。
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- デヴィッド・マッカラム氏 逝去。(2023.09.28)
- 一部の中国人と同じレベルの発言で ・・・ 。(2023.09.26)
- 映画「アルゴ」の元になった事件を読む。(2023.09.22)
- 新しいジェームズ・ボンドは まだ決まらない。(2023.09.30)
コメント