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2014年9月27日 (土)

フレデリック・フォーサイスの最新作 “The Kill List”

先日,フレデリック・フォーサイス原作による映画 「ジャッカルの日」を TVで久しぶりに観て,フレデリック・フォーサイスの小説を読みたくなりました。

最新作は何かと調べて 英語版 Wikipedia で ‘The Kill List’(2013年)が出ていることを知りました。(日本版Wikipediaに記載なし)更に 調べて 今年(2014年)5月に 「(株)KADOKAWA」が翻訳本 「キル・リスト」を発行していることを知り,図書館にあったので借りて読みました。

Img_7845The_kill_list_2013_cover

タイトルの 「キル・リスト」は,「ホワイトハウス内の極秘リストで 『米国 および 米国民と国益にとって極めて危険とみなされるため,逮捕・起訴等の法的手続きを経ることなく処刑されるテロリスト』が載っているもの」 という設定です。実在するかどうかは不明のリストです。

イスラム聖戦主義信奉者による殺人をインターネットを通じて扇動する謎の人物<説教師> “The Preacher” が,この 「キル・リスト」に載り,米国政府の秘密組織 TOSA(‘Technical Operations Support Activity’,これは架空組織)の <追跡者> “The Tracker” (海兵隊からの出向中佐)が追い詰める話です。

2005年のロンドン同時多発テロ事件,2013年のボストン・マラソン爆破テロ事件,さらに イスラム国扇動による世界中でのテロ脅威がある現在,小説ながら 現実性があるストーリーです。

追跡の経過の中で <追跡者>の父親が<説教師>に洗脳されたテロリストの犠牲になってしまいます。
 「自分は仕事を与えられたが,それは終わっていない。任務を課されたが,まだ完遂していない。それに追跡はすでに性質を変えている。これは個人的な報復だ。ヴァージニアビーチの集中治療室で亡くなった愛する父親の敵をとるのだ。
 『おまえはこの戦いを個人的なものにしてしまったんだ,<説教師>』」

物語の最後で,ソマリアにいる<説教師>を急襲するのは,距離と時間の関係で 「シールズ」や「デルタフォース」 が間に合わず,米国大統領が英国首相に依頼して出動した英国の特殊部隊 「パスファインダー小隊」(‘Pathfinder Platoon’)でした。
無人機からのミサイル攻撃は,同行している 「イスラエルの工作員と,人質のスウェーデン人」を巻き添えにする危険があるため断念し,地上作戦を選択しました。

敵に 飛行機のエンジンを気付かれないよう設定された高度 7,500m,防音,空調,与圧なしの C-130 輸送機からの降下前後の描写は迫力があります。
機が上昇する間,酸素マスクを付け 純度100%に近い酸素を吸い続け,血中の窒素を完全に抜くー 落下して急激に気圧が下がっていく(?)とき,減圧症(血液中の窒素が気化して泡立つこと)を防げるのだーなど初めて知ることです。

興味深かったのは 「パスファインダー」の装備は,世界中の製品から最高のものを選んでいる,との件でー
  パラシュート:「BT80」(フランス),突撃銃:「M4カービン」(アメリカ),拳銃:「ブローニング・ハイパワー」(ベルギー),戦闘用ナイフ:「SASナイフ」(イギリス)とありました。
さらに パラシュート「BT80」が 1枚 5万ポンド(最近のレートで 800~900万円)と 俄かには信じられない値段の説明もあって驚きました。
30kg のパラシュートを背負い,暗視ゴーグル,拳銃・弾薬,水・食糧などを入れた 40kg のベルゲン・リュックを胸につけ,ヘルメット・防寒服に酸素ボンベを付ければ 降下時の装備重量は体重に匹敵します。

綿密な取材に基づくストーリー展開,ディーテイルは別世界の話とはいえ,リアリティがあって引き込まれました。

「イスラム過激派によるテロ」を主軸として 「引きこもり青年によるインターネットIPアドレスの追跡と成りすまし」,「ソマリア海賊」,「米国の対テロ秘密組織」 などが織り込まれ,映画にすれば面白そうです。
主役の,実戦経験がある45歳の海兵隊中佐<追跡者>は,個人的好みで クリスチャン・ベール(‘Christian Bale’, 1974~ )はどうでしょう,イギリス人であることと,40歳の若さが難ですが。

過去,映画化された フレデリック・フォーサイスの小説は 次の作品です。
・「ジャッカルの日」(‘The Day of the Jackal’,1973)
・「オデッサ・ファイル」(‘The Odessa File’,1974)
・「戦争の犬たち」(‘The Dogs of War’,1980)
・「第四の核」(‘The Fourth Protocol’,1986)

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