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2014年10月25日 (土)

フレデリック・フォーサイスの “Avenger”

Img_7953フレデリック・フォーサイス(‘Frederick Forsyth’,1938~ )のサスペンス小説を 新しい作品から遡って読み始め,「キル・リスト(2014)」(‘The Kill List’,2013),「コブラ(2012)」(‘The Cobra’,2010) の次は 「アフガンの男(2010)」(‘The Afghan’,2006)のつもりでしたが,図書館で見当たらなかったので,飛ばして 「アヴェンジャー(2004)」(上下)(‘Avenger’,2003)を借りてきました。

話はー
ベトナム戦争からの帰還後,復員援護法による奨学金を利用して大学とロースクールを卒業して弁護士になり,妻と娘を失う悲惨な事件をきっかけに,復讐請負人を裏稼業とするようになった 「アヴェンジャー」が,カナダの富豪に依頼された仕事は,ボスニア紛争時にボランティアとして現地のNPOで働いていた依頼人の孫であるアメリカ人の大学生を,故なく惨殺したセルビア人を探し出し,捕捉して,米国司法当局に引き渡すことでした。
しかし,このセルビア人を泳がし,利用して 米国本土へのアルカイダのテロ攻撃を阻止しようと目論むCIAテロ対策本部の高官は,「アヴェンジャー」が目的を果たせば計画が潰れるため,これを阻止しようとします。
(後の作品 「コブラ」では コロンビアのコカイン産業を壊滅する責任者として このCIA高官が登場し,彼は片腕として 「アヴェンジャー」を指名します。)

時は 2001年,アヴェンジャーが仕事の依頼を受けたのが5月,フロリダ・キーウェストの飛行場に着陸して仕事を完遂したのが9月初めです。

エピローグで,姿が見えないアヴェンジャーを追ったCIA エージェント(実はアヴェンジャーが自ら志願したベトナム戦争時代の上官で,ベトコンが潜むトンネル内で生死を共にして戦ったパートナー)が洗面所で腕時計を見ます。
「・・・シャツの袖口をおろして,ついでに日付表示窓をのぞいた。2001・9・10。」

「9.11 アメリカ同時多発テロ事件」を敢えて想起させ,アヴェンジャーが依頼された正義を遂行しなければ このテロ事件は防げたのではないか,と矛盾溢れる余韻を残して終わります。

参考までに,1990年~2001年(9.11)までに米国を標的としたアルカイダによる(と思われる)代表的テロ事件を調べるとー
・1993/2/26 世界貿易センタービル爆破事件 : 地下駐車場でバンに積んだ600kgの爆薬による。死者:6名,負傷者:1,040名。
・1998/8/7 ケニア米大使館爆破事件。死者:291名,負傷者:5,000名以上。
                タンザニア米大使館爆破事件。死者:死者:10名,負傷者:77名。
・2000/10/12 米海軍バーク級ミサイル駆逐艦「コール」 ゴムボートによる自爆攻撃。
                   於 イエメン・アデン湾停泊中,左舷損傷。死者:17名,負傷者:37名。

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