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2014年10月 1日 (水)

火山に関する定義など

9月26日,御嶽山が噴火し,多数の被害者が出ました。
この機会に,火山に関する言葉の定義を確認しました。

まず,素朴な疑問は 溶岩の流出がない,すなわち,「火」が見えなくても「噴火」なのか,です。
「噴火」に対応する英語は ‘eruption’です。
「噴火」が いつから使われていたかは よく分りませんが,江戸時代の記録に,例えば 「文政四年十二月廿日霧島山噴火記」などがあるので,‘eruption’の訳語として創られた言葉ではないと思われます。

「噴火」の定義は 一般的には 「火山現象の一種で,地球内部から 物質が比較的急速に放出されること」(辞書)であり,気象庁は 「火山現象として,火口外へ固形物(火山灰,岩塊等)を放出 または溶岩を流出する現象」としています。
この定義からすると 火山灰を含まない水蒸気のみの放出は噴火ではないにしても,「火山灰」が噴出すれば 「火」が無くても「噴火」と言うことになります。
また,気象庁が 「噴火」とする記録基準は 「固形物が噴出場所から水平 もしくは垂直距離 概ね100~300mを超すものを噴火として記録する」となっています。

次に,火山の活動度による分類に関する疑問があります。

かつて,私が子供の頃(50年以上前),火山には 「死火山」,「休火山」,「活火山」(当時は 「かっかざん」。現在の 「かつかざん」に違和感あり。)の3種類あると習いました。
しかし,この分類は 例えば 「現在 活動しているのが活火山」,「現在 活動してないが 歴史文献に噴火記録があるもの(検証可能)を休火山(富士山は休火山だった)」,「噴火記録がないものを死火山」というように厳密な定義ではありませんでした。
かつて人間が住んでいなかった場所にある火山で,現在 活動してないものは全て死火山になってしまう矛盾がありました。

最新の分類では,2003年(平成15年),火山噴火予知連絡会により 「概ね過去1万年以内に噴火した火山 及び現在活発な噴気活動のある火山」が 『活火山』と定義されています。1万年となれば エジプト文明開化前で 当然 記録はないので 地質学的痕跡から判断することになります。
この他の火山の定義は存在しません。強いて言えば 以前の「死火山」は 「活火山ではない火山」です。当然 「休火山」という言葉もなくなりました。

この定義に至るまでの経過を調べるとー

1960年代 : 気象庁は 「噴火の記録のある火山」 をすべて活火山と呼ぶことにした。
                  (ここから 富士山は 「休火山」から「活火山」となった。)

1975(昭和50)年 : 火山噴火予知連絡会が「噴火の記録のある火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義して77火山を選定した。
 

1991年(平成3)年 : 火山噴火予知連絡会が活火山を「過去およそ2000年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」と定め,83火山を選定した

2003(平成15)年火山噴火予知連絡会は「概ね過去1万年以内に噴火した火山及び現在活発な噴気活動のある火山」を活火山と定義し直した。当初,活火山の数は108だったが,2011(平成23)年6月にはさらに2火山が新たに選定され,活火山の数は現在110となっている。

地球の動き・営みを,人類の歴史を尺度で評価しても詮無きこと,ということのようです。

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