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2014年12月 5日 (金)

「ヒューリー」を観た。

Furya

米国・英国 戦争映画 「ヒューリー」(‘Fury’,2014)を観ました。

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ベルリンを目指す 米陸軍の ‘Fury’と名付けられたシャーマン戦車と そのクルーの話です。所属は ‘The 66th Armored Regiment, 2nd Armored Division’(第2機甲師団第66機甲連隊)です。

5人の クルーのニックネームは,上の写真 左から次のとおりです。
(日本語部分は 筆者による訳なので正確さは不明。)

・‘Gunner’(戦車砲射手)Technician 5th Grade(工兵,伍長相当) ‘Bible’(聖書の引用が得意)
・‘Commander’(車長) Staff Sergeant (二等軍曹) ‘Wardaddy’(アフリカ戦線からの信頼できる車長)
・‘Assistant driver/bow gunner’(副操縦士 兼 前部機銃射手) Private (一等兵) ‘Machine’(本来 タイピスト新兵であったが,誤って配属される。慣れるにしたがって完璧に戦車の仕事をこなすようになったところから マシーン。)
・‘Driver’(操縦士) Corparal(伍長) ‘Gordo’(メキシコの出身地名?)
・‘Loader’(砲弾装填手) Private First Class (上等兵) ‘Coon-Ass’(アライグマの尻?)

今まで 見たことが戦車の戦闘シーンが詳細に描かれます。

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4両で作戦行動中,ドイツ軍‘Tiger’戦車と遭遇。
Sherman’戦車の装甲 最大76mm(3inch),口径 76mm(3inch)砲に対して ‘Tiger’戦車は装甲 最大120mm,口径 88mm砲と強力で,‘Sherman’戦車 3両が破壊され,一騎打ちとなって 辛うじて装甲の薄い背後からの攻撃で生き残ります。
Tiger’戦車は字幕では 「ティーガー」と示されます。団塊世代としては「ティーガー」に違和感があります。戦車クルーが呼んでいるように 英語読みで 「タイガー」に馴染みがありますが,最近(でもなくて ’70年代から) ドイツ語に近い 「ティーガー」 と日本では呼ばれているようです。
その他,戦車砲の砲弾種類(白燐弾など)を目的に応じて使い分けること,地雷を踏んで壊れたキャタピラがクルーによって修理可能なこと(そういえば,子供の頃 組み立てたプラモデルの車体には キャタピラのパーツが搭載されていました),車体底部に脱出口があることなど 今までの戦争映画にはなかった戦車の描写があり,戦車が主人公の映画と言えます。素人には興味深いものです。

ブラッド・ピット演じる車長 ‘Wardaddy’が強い憎しみを持つ‘SS’はナチス親衛隊 ‘Schutzstaffel’の略であり,フレデリック・フォーサイスの 40年前の小説 「オデッサ・ファイル」(篠原 慎 訳)に 次のように述べられています。
SSとは,アドルフ・ヒトラーのもと,ハインリヒ・ヒムラーによって支配されていた軍隊の中の軍隊,国家の中の国家ともいうべき存在で,1933年から1945年までドイツのナチス第三帝国で特別の任務を担っていた。その任務とは第三帝国の保安にかかわる事柄であった。
なかでも最大の任務は,ドイツと全ヨーロッパから,ヒトラーが “生存に値しない”と考えた全ての要素を除去すること,“スラブの劣等人種”を永遠に奴隷化すること,そして老若男女を問わず全てのユダヤ人をヨーロッパから抹殺すること,というヒトラーの悪魔的野心の実現に努めることであった。
これらの任務を達成するために,SSは,実に1400万人の人間を虐殺した。その内訳は,ユダヤ人が約600万人,ロシア人が500万人,ポーランド人が200万人,ジプシーが50万。そして残り50万人の中には,20万人近くのドイツ人とオーストリア人が含まれていた。この人たちは,心身障害者,共産主義者,社会民主主義者,リベラル派,編集者,新聞記者,ナチス批判を声高に喋る神父,良心と勇気の人々,そしてヒトラーへの忠誠心に欠けるとみなされた国防軍将校らの,いわゆる第三帝国の敵である。

(尚,この 1974年 初版発行の「オデッサ・ファイル」翻訳本では ‘Tiger’戦車は,よりドイツ語的に 「ティゲール」と書かれています。)

米軍が攻略した町の近くや,町の中に ドイツ人の死体が「協力を拒否しため・・・」と書かれた札と共に吊るされたシーンがありました。

蛇足ですが,このSSによるホロコーストと 慰安婦問題を同列に扱おうとする動きは,反対というより不愉快です。

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