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2014年12月17日 (水)

フレデリック・フォーサイスの “The Odessa File”

フレデリック・フォーサイス(‘Frederick Forsyth’,1938~ )の(戦争)サスペンス小説読破計画ー

  ・「キル・リスト(2014)」(‘The Kill List’,2013)
  ・「コブラ(2012)」(‘The Cobra’,2010)
  ・「アヴェンジャー(2004)」(上下)(‘Avenger’,2003)
  ・「アフガンの男(2010)」(上下)(‘The Afghan’,2006)
  ・「戦士たちの挽歌(2002)」(‘The Veteran’,2001)
に続いて,今回は 図書館の貸し出し状況の関係で 初期の作品(第二作)となりました。
「オデッサ・ファイル(1974)」(‘The Odessa File’,1972)です。
 
40年前の本で,図書館の開架書架には置いておらず,閉架書庫から出してもらって借りました。

Img_8011Img_8009

カバーなし。

40年の歳月を感じさせる外観です。

タイトルの ‘ODESSA’は ‘Organization Der Ehemaligen SS-Angehorigen’(独:元SS隊員の組織)からの合成語です。(SS:ナチ親衛隊)

「オデッサ」は SS幹部を逃亡させるために作られた組織で,降伏後に連合国が彼らの残虐行為に対して行う処罰を予測して敗戦のかなり前に作られ,金などの財産をスイスの銀行に匿名で預け,逃走経路を設定するなどの計画をしていました。
そして この小説の舞台となる,戦後20年近く経っても 「オデッサ」は存在していました。

「オデッサ・ファイル」は この逃亡計画を指揮・管理する者が,逃亡したSSの高官達の氏名と偽名,行先などを列記して保管していたものです。

物語は 1960年代前半 ハンブルクに住む新聞記者あがりの若いルポライターが,ふとしたことから 強制収容所で生き残ったユダヤ人の日記を目にしたところから始まります。
日記には ラトビアの首都リガの収容所で起こったできごとなど,特に,所長のSS大尉エドゥアルト・ロシュマンの残虐さが記されていました。

若きルポライター,ペーター・ミラーは 純粋のアーリア系ドイツ人でありながら,何故か その日記に記されたロシュマンに対して 「まるで親の仇」のように執拗な追跡を始めるのです。
追跡行動のプロセスは 「オデッサ」組織や 「イスラエルのナチ狩り」組織のプロから アマチュアの無謀な行動とみられますが,最後には ロシュマンを追い詰めます。そして ・・・ 。

ミラーの愛車は,1960年に生産が中止された ‘Jaguar XK150S’ で,物語の終盤において 「オデッサ」の工作員に仕掛けられたプラスティック爆薬で爆破されます。
この車の美しさ,特に プロファイルの美しさは特筆もので,リアのラインは1961年に発表された ‘E-Type’に継承されています。

Jaguar_xk150sJaguar_xk150s2

ミラーは この‘Jaguar XK150S’の車体を黒く塗り替え,両サイドに黄色い線を一本入れていました。
この目立つ車は 「オデッサ」の殺し屋らの追跡に対して不利に働きます。
ミラーは,又 コーナリング時の安定性を高めるため,前輪のサスペンションを固くしており,これは 仕掛けられた爆薬の信管への,サスペンションの動きを利用した通電を防ぐことになります。

フレデリック・フォーサイスの小説は,緻密な取材に基づいていることに定評があり,本作も どこが事実で,どこがフィクションかわかららないところがあります。
しかし,「オデッサ」が存在したことを信じます。

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