« 韓国国民の自負心ー「韓国民であることに誇り」 73% | トップページ | 呉市散歩,平原浄水場。 »

2015年3月23日 (月)

シンガポールでの鞭打ち刑

「シンガポールの裁判所が,去年11月に 車庫に侵入して電車にスプレーペイントで落書きした二人のドイツ人に 『鞭打ち3回+禁固 9ヶ月』の刑を,3月5日 言い渡した」と報道されました。
犯罪に対する罰則が,欧米の常識からして重すぎるのと,「鞭打ち」の刑が アジアの先進国と思われているシンガポールに存在していることに驚いたのか,欧米のネット・ニュースが多く取り上げていました。

その中に,「鞭打ち」刑を詳しく取り上げているドイツのネット・ニュースがあったので 拙訳で紹介します。

2015/3/5付け ‘Deutsche Welle’(ドイッチェ・ヴェレ,「ドイツの波」)で,見出しは ‘The invisible scars left by strikes of the cane’(鞭打ちによって残る見えない傷)です。

*************************************

2人の若いドイツ人が,シンガポールで列車に落書きをして捕まり,毀損の罪で,鞭打ちと禁固の判決を受けた。この罰が,どのくらいひどい傷を負わせるのか?さらには,その痛みの質(nature)は何なのか?

シンガポールは,厳しい法律で知られており,公共交通機関内で飲食するような軽犯罪さえ,3,000ユーロ以上の罰金となるなど,西欧世界ではほとんど考えられない。

この権力国家(authoritarian state)において,はるかによりひどく罰せられる他の犯罪もある。例えば,公共物損壊は懲役3年に,裸の尻への最高8回の鞭打ちが加わる。

Caning
(シンガポールの鞭打ち刑説明図:「腎臓を保護するパッドを付ける」,「手足は架台に拘束する」)
ドラコニアン(draconianDraco:過度に厳しい罰則で悪名高い古代ギリシャの執政官)としてのこのプロセスは,英国の植民地支配時代にさかのぼり,英国が1948年に鞭打ちの刑を廃止した後も,多くの旧植民地には残った。

【多様な痛み】

シンガポールでは,鞭の長さは 120cm,直径(厚さ?幅?)13mmで,弾力性に富んだものと決まっている。鞭打ち人は痛みを与えるように訓練され,鞭の速度は 160km/h に達する。
3回の鞭打ちは通常,細長く裂けるのを防ぐために湿らされた皮膚を貫通し,たいていの場合,傷になる。

鞭打ちの犠牲者は精神的な苦痛に耐えることも強いられるが,これはしばしば見落とされる。

「しばしば,彼らは,いつ罰を受けるかを告げられない。」と,Jan KizilhanVillingen-Schwenningenの心理学教授)は言う。「これは不眠症,パニック発作と冷や汗などを引き起こして,深い屈辱を伴う恥の感情に発展する。」

多くの場合,鞭打ち刑は懲役期間の最初の1/3の間に執行される。すなわち,今回 有罪となったドイツ人は4月中に鞭打ちを受けると予想される。
「鞭打ち自体は,しばしば最も簡単な部分であり,執行までに高まっていた感情的なストレスがクライマックスに達して,実行されて一気に減少する。」とKizilhan教授は説明した。

それでも,一旦 鞭打ちが執行されると,最も難しい段階が数日後にしばしば来ると,Kizilhan教授は言う。「屈辱的な記憶が心に焼きつく。そして,これが無力感に至る。
これらの人々は,公衆に曝され,これが,最終的に他の人に対する信頼の喪失の結果をもたらす。」

【広範囲に現存する刑】

シンガポールでは,2012年に 2500人以上が「鞭打ち」の刑を受け,その ほぼ半分は,不法入国者だった。
しかし,体罰を認めるのはシンガポールだけではない。近隣のマレーシア,インドネシアとブルネイには,鞭打ち(‘both caning and whipping’とあるが,区別がつかない。‘cane’は「籐」,‘whip’は「皮革」?)の刑がある。

アラブ世界では,さらに過激な罰が執行されている。
サウジアラビアの最近のケース:ブロガー Raif Badawiが 国家転覆の罪で 鞭打ち1000回と禁固10年を言い渡されたことは世界中の関心を呼んだ

イエメン,アラブ首長国連邦とカタールでは,イラン,パキスタンとアフガニスタンと同様に,鞭打ち(‘whipping and beating’とあるが区別は不明)は通常の刑罰である。
アフリカでは,同様の公式刑罰は,ソマリア,スーダン,ナイジェリアとタンザニアで明文化されている。

Map(肉体的刑罰が存在する国)

国際的に認められた憲章ー1948年の世界人権宣言ー「残酷で,異常で,品位を貶める刑罰を明確に禁止する」 にもかかわらず,これらの国は,法律の抜け穴を見つけている。
痛みが,それが実行される管轄権で法律に違反する行為に由来するときのみ,罰は拷問と考えられる。

言い換えると,拷問は,それが法律(国際法ではない)に反するときのみ拷問と言える。

*************************************

各国の報道には シンガポールにおける「鞭打ち刑」への驚きが感じられますが,強く非難しているものは見当たりません。少なくとも,ドイツ政府は口を出してないようです。

他国で犯罪を犯せば,その国の法律で裁かれ,その国の刑罰に服することは当然のこととの理解が感じられます。世界はひとつではありません。

|

« 韓国国民の自負心ー「韓国民であることに誇り」 73% | トップページ | 呉市散歩,平原浄水場。 »

ニュース」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 韓国国民の自負心ー「韓国民であることに誇り」 73% | トップページ | 呉市散歩,平原浄水場。 »