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2015年4月25日 (土)

フレデリック・フォーサイスの ‘The Day of the Jackal’

フレデリック・フォーサイス(‘Frederick Forsyth’,1938~ )の(戦争)サスペンス小説読破計画で 12作品目として 処女作 「ジャッカルの日(1971)」 (‘The Day of the Jackal’,1971)を読みました。

今まで読んだのはー
   ・「キル・リスト(2014)」(‘The Kill List’,2013)
   ・「コブラ(2012)」(‘The Cobra’,2010)
   ・「アヴェンジャー(2004)」(上下)(‘Avenger’,2003)
   ・「アフガンの男(2010)」(上下)(‘The Afghan’,2006)
   ・「戦士たちの挽歌(2002)」(‘The Veteran’,2001)
   ・「オデッサ・ファイル(1974)」(‘The Odessa File’,1972)
   ・「悪魔の選択(1979)」(上下) (‘The Devil's Alternative’,1979)
   ・「イコン(1996)」(上下) (‘Icon’,1996)
   ・「第四の核(1984)」(上下) (‘The Fourth Protocol’,1984)
   ・「マンハッタンの怪人(2000)」 (‘The Phantom of Manhattan’,1999)
   ・「シェパード(1975)」 (‘The Shepherd’,1975)
の11作品です。

Img_8661  「ジャッカルの日」は 1973年に映画化され,何回か観ていますが,原作を読んだのは今回が初めてです。

1960年代始め(1964年)のフランスを舞台に,シャルル・ド・ゴール大統領(1890~1970)暗殺を企てる武装組織「秘密軍事組織(OAS)」が雇ったプロの暗殺者「ジャッカル」と,それをを阻止しようとするフランス官憲の追跡を描いたサスペンス小説です。

1958年に成立した第五共和政で 1969年まで第18代大統領を務めたド・ゴールは,アルジェリアの独立を認めたことなどにより OASから命を狙われます。

実際に1962年8月に パリ郊外で発生した,OASによる機関銃乱射による暗殺未遂の「プティ=クラマール事件」をドキュメンタリー風に描いて挿入するなど,虚実入り混じって展開するストーリーで引きこまれます。

フォーサイスは ロイター通信社の特派員として1961年からパリに駐在していて,この時代のフランスの情勢・雰囲気を熟知してこの作品を書いています。

組織を官憲に掌握されているため,OAS幹部が最後の手段として雇ったのが,プロの暗殺者 コード名:ジャッカルでした。

Img_8704読み終わって BDで 映画を見なおしました。

簡略化,省略化されてはいますが,原作にかなり忠実に映画化されていて,原作の雰囲気を継承しています。
ジャッカルが移動に使うのは 原作通り「アルファ・ロメオ/ジュリエッタ」です。

ただ,主要登場人物の風体が原作と大きく異なっていました。

まず,ジャッカルは 原作では 「長身(但し 6 フィート)で肩幅が広く,厚い胸,筋肉質の引き締まった体躯」と描写されていますが,演じたエドワード・フォックス(‘Edward Fox’, 1937~ )は 身長 173cmの細身です。

逆に,内務大臣の命を受けて,オフィスに簡易ベッドを持込み,泊まり込みで ジャッカルを追うクロード・ルベル警視(司法警察刑事部次長)は,原作では 「背が低く太った」と描かれていますが,演じた マイケル・ロンズデール(‘Michael Lonsdale’, 1931~ )は 185cmの長身で中肉です。

原作を読み,登場人物のイメージを描いていた人が映画を観るとギャップを感じたかも知れません。

その他で やや気になったのは,原作では ジャッカルは 変装用衣装などを 3つのスーツ・ケースと1つのアタッシェ・ケースに入れ移動しており,この描写が何回もあったので,これだけの荷物を持っての移動は大変だと思いながら読んでいましたが,映画では スーツ・ケースが 2つだけでした。

*蛇足:この翻訳本には 時代(1971年)のせいか,訳者:篠原慎さん(1934~ )のインテリジェンス故か,あまり聞かない言葉が遣われていました。例えばー

  【忿罵】 「ふんば」と読むのでしょうが,Googleで検索しても存在しません。唯一,中国の 「維基詞典ー自由的多語言詞典,Wiktionary」にあるのみです。
  【鳩色】 あまり遣わない言葉でどんな色なのか分りません。恐らく 原文では ‘dove colour’ で 英和辞典では 「ハト色,赤または紫を帯びたグレー」とあります。
  【太り肉(ふとりじし)】 子供の頃(60年近く前),母親などが 「あの子はフトリジシだねえ」と言っているのを聞いた記憶がありますが,それ以後,ほとんど聞いた覚えがありません。
況や,遣ったことはありません。

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