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2015年5月 5日 (火)

天声人語子の微妙な勘違い

4月30日付け 朝日新聞の「天声人語」は次の書き出しで始まっていました。

「終戦後間もない1949年,日本を『太平洋のスイスに』と語った人がいる。ほかならぬ占領軍トップ,マッカーサー元帥だ。英紙監査役とのインタビューで 『米国は日本が戦うことは欲しない。日本の役割は太平洋のスイスとなることです』と述べた。しかし,翌年には,自衛隊の前身の警察予備隊が発足する。」

良文として大学入試問題に使われるくらいですから,正しく 「しかし」を用いていると考えます。
しかし,「しかし」の 「逆接」の理由が不明です。

スイスは永世中立国ですが,国民皆兵を国是としており,徴兵制度を採用しています。
国軍として約4,000名の職業軍人と約210,000名の予備役から構成される軍隊を有しており,軍事費は $4,830M です。
17世紀のスイス連邦軍組織結成以降,継続常備しています。

自衛隊の対米支援活動の範囲が広がることに関しては 「太平洋のスイス」に反するとの議論があるかも知れませんが,自衛隊 そのものについての 「しかし」は勘違いです。
否,スイスの軍備を知りながら 「しかし」をもってくるところが 朝日新聞らしい意図的誤誘導と言えるのかも知れません。

世界は 「公正と信義を信頼できる,平和を愛する諸国民」ばかりでないことは,少し周りを見渡せば明らかで,「安全と生存」を保持するための最小,もしくは必要十分な自衛能力を備えるのは,かつてスイスを目指すことを望まれた国家としても当然のことです。

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