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2015年6月 5日 (金)

フレデリック・フォーサイスの“A Casualty of War”

フレデリック・フォーサイス(‘Frederick Forsyth’,1938~ )の(スパイ)サスペンス小説読破計画で 16作品目として  「戦争の犠牲者(1991)」 (‘A Casualty of War’ in The Deceiver’,1991)を読みました。

今まで読んだのはー
   ・「キル・リスト(2014)」(‘The Kill List’,2013)
   ・「コブラ(2012)」(‘The Cobra’,2010)
   ・「アヴェンジャー(2004)」(上下)(‘Avenger’,2003)
   ・「アフガンの男(2010)」(上下)(‘The Afghan’,2006)
   ・「戦士たちの挽歌(2002)」(‘The Veteran’,2001)
   ・「オデッサ・ファイル(1974)」(‘The Odessa File’,1972)
   ・「悪魔の選択(1979)」(上下) (‘The Devil's Alternative’,1979)
   ・「イコン(1996)」(上下) (‘Icon’,1996)
   ・「第四の核(1984)」(上下) (‘The Fourth Protocol’,1984)
   ・「マンハッタンの怪人(2000)」 (‘The Phantom of Manhattan’,1999)
   ・「シェパード(1975)」 (‘The Shepherd’,1975)
   ・「ジャッカルの日(1971)」 (‘The Day of the Jackal’,1971)
   ・「神の拳(1994)」(上下) (‘The Fist of God’,1994)
   ・「騙し屋(1991)」(‘Pride and Extreme Prejudice in The Deceiver’,1991)
   ・「売国奴の持参金(1991)」 (‘The Price of The Bride’ in The Deceiver’,1991)
の15作品です。

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借りるのは 呉市中央図書館ですが,既に中央図書館にあるフォーサイスは読みつくしたようで,最近は 主に川尻町図書館からの取り寄せです。早いときには昼過ぎに依頼書を出せば夕方に届いたと電話が入ります。

本作品「戦争の犠牲者」は,日本では 「マクレディ・シリーズ」四部作の第三弾ですが,オリジナルは,4つの作品が,1冊に収められており,作品のタイトルは 日本発行での第一弾に付けられた‘The Deceiver’(騙し屋)です。

主人公のサミュエル(サム)・マクレディ,イギリスの秘密情報機関 SISSecret Intelligence Service)の一部門である  DDPS(‘Deception, Disinformation and Psychological Operations’, 「欺瞞,逆情報及び心理工作」)の部長が,冷戦終結によって開始されたSIS組織の人員整理計画のスケープゴートにされて引退勧告を受けます。
現役に留まるため,開催を要請した聴聞会で,弁護役として指名した 10歳若い副部長 デニス・ゴーントが 聴聞会の委員に語る マクレディの功績となる 3番目の事件です。

事件は 1986年4月に始まり 1987年晩春に収束しました。
1986年4月,米空軍戦闘機 および 戦闘爆撃機がリビアの首都トリポリ郊外のカダフィ大佐の住まいに爆撃を加えました。戦闘機は空母エグゼターから発進し,F-111戦闘爆撃機は英国内の米空軍基地から飛び立ちました。
カダフィーは死を免れましたが,戦闘爆撃機の発進を許可した英国に復讐を誓い,その復讐の代行者として「アイルランド共和国軍(IRA)」を選びます。それを察知したSISは処理をマクレディに一任しました。

ちょうどこの時期,SISは,リビアが IRA と ヨーロッパの他のテロリスト・グループのために武器を送り出す準備をしているという証拠を掴みます。

マクレディーは,新進の小説家で 元SAS(Special Air Service’,英陸軍・特殊空挺部隊)大尉 トム・ロウズをこの武器輸送阻止工作に協力するよう説得を試みます。トム・ロウズは頑なに協力を拒みますが,今回のIRA武器調達の指揮者が,ケヴィン・マホニーであることを聞いて協力を承諾します。マホニーこそ,SAS時代,ロウズが取り逃がし,逃走中に 奪った車から少女を投げ捨てて殺した男でした。

ロウズの任務は,リビアからIRAに運ばれる武器の輸送時期と経路を探ることであり,マクレディは二段構えの計画を立てます。
一段目は 小説の取材活動で 国際的な兵器の密輸に関する資料を集めるため,リビアに接近すること。これは わざと見破り易い理由として,これが見破られた後の二段目を信じさせようとしています。
二段目は,手数料目的で米国内のテロ組織のために 武器を調達しようとしているとするものでした。

ロウズは 拷問を受けた後,二段目を吐くなど 危険な目に遭いながら,リビアの武器供給者を信用させ,IRAへの武器運搬と同じ便でヨーロッパに積み出しさせることに成功し,輸送情報を入手します。

この情報により,英国情報部は 武器を輸送している貨物船を特定することができて,マクレディは SBS(‘Special Boat Service’,英国海兵隊・特殊舟艇部隊)の手を借りて,英国領海内で この貨物船を急襲します。

急襲チームには マクレディと共にロウズも同行しました。
そして,居住区を捜索していたロウズは背後からの拳銃弾を肩に受け,振り向きざま ヘッケラー&コッホ(Heckler & KochMP5 短機関銃で 短く 2発連射の2回で応戦し,0.5秒で発射された4発の9mm弾を受けた人影は壁に叩きつけられ,反動で前にはじかれ床に倒れて絶命します。
それは ロウズが,リビアからの回答を待っているキプロスのリゾートホテルで知り合った モニカ・ブラウンでした。

「彼女も戦争の犠牲者だ。我々もみんなー」のマクレディの言葉で終わります。

(以下 蛇足)

①「“E”付きのブラウン夫人」という台詞がありました。
Brown’ではなく ‘Browne’という意味でしょうが,原文ではどう書いてあるのか ー‘Browne with “E”’?
台詞を文字にする場合,原文ではどのように書いてあるのでしょうか?

②フォーサイスの小説には,そもそも女性の登場は少なく,まして女性着衣の描写は珍しいのですが,本作では 「小さいジャネット・レガーのパンティが腰にはりついていた。」という一文があります。
米国の‘Victoria's Secret’や ‘Calvin Klein’,フランスの ‘LOU’,‘Aubade’,スイスの‘HANRO’など空港の売店で見た覚えがありますが,英国の ‘Janet Reger’をカタカナで書かれたのは 日本人にとっては唐突でした。英国人の大人なら 「洒落た,もしくは高級な下着」ということで読み進められるのでしょうね。

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