誇らしい歴史,恥ずかしい史料
2015/11/29付け 朝鮮日報・日本語版に 鮮于鉦 論説委員の 「誇らしい歴史,恥ずかしい史料」と題するコラムがありました。
韓国の‘駄目さ’を中途半端に理解している韓国人の文章のように感じます。
以下 転載。
*************************************
帝国主義時代の日本と左派が発掘した恥ずかしい史料が山ほどある。
これらを取り除かなければ誇らしい歴史は空念仏に終わるだろう。
先日,東京都内の書店で 「朝鮮王公族-帝国日本の準皇族」という本を見つけた。本の帯には 「帝国日本への歪んだ忠誠」という文字と共に写真があった。日本の軍服を着て,日本の皇族の列の端に立つ朝鮮王族3人の姿だ。高宗(朝鮮第26代国王,大韓帝国初代皇帝)の息子・英親王(李垠)と高宗の孫の李ゴン,李ウが靖国神社で祭祀を行う姿だという。この本は,日本による植民地支配時代以降における朝鮮王族26人の人生の流転を取り上げたものだ。ただの嫌韓本だろうと思いながら数ページ読んだところ,多くのの史料に基づき綿密に書かれた本だということが分かった。不愉快ではあったが,そのまま置いていくことはできなかった。
・・・
この本は,「旧李王家邸」のように私たち韓国人が忘れたいと思っていることを思い起こさせた。亡国以降,純宗(朝鮮第27代国王,大韓帝国第2代皇帝)の専属料理人として日本の帝国ホテル初代料理長が赴任したこと。純宗はその専属料理人が作ったフランス料理と日本が送ってくれた優良な乳牛の新鮮な牛乳が好きだったこと。英親王は趣味の蘭栽培が専門家レベルに達していたこと。戦争のさなかでも日本の景勝地で登山やスキーを楽しんでいたこと。・・・ この本を読みながら日本の緻密さに驚いた。植民地時代の朝鮮王族の全体像を書いた「王公族録」,高宗の記録を別に書いた「李太王実録」はもちろん,高宗の実兄の行動を記録した「李熹公実録」,甥の行動を記録した「李埈公実録」まで編さんしたという。王族が平和に暮らしているから,民も反抗せずにおとなしくしていろという意図だったのだろうか。史料の中には日本が歪曲・ねつ造した記述もあるだろう。しかし,韓国人が歪曲やねつ造を立証できなければ,その記録は最終的に歴史として残る。
この本を読んでいて一番胸が痛んだのはそうした点だった。朝鮮が亡びた後だったが,日本は高宗実録や純宗実録を8年かけて製作した。朝鮮の現在はもちろん,過去についても日本帝国史の一環にしようという意図だったのだ。編さんを指揮した人物も日本の学者だった。植民地支配からの解放(日本の終戦)後,韓国人たちは2つの実録を朝鮮王朝実録の一部として認めなかった。日本が書いた歴史を認めたくなかったからだ。そこで著者は主張する。「それならば韓国はなぜ,自ら実録を作らないのか」と。日本がしたこと延々と否定しながら,解放後に新たな史料を発掘して正統性のある実録を作らなかった韓国は理解しがたいということだ。もちろん,1960年代に国史編さん委員会が不十分ながら「高宗時代史」を編さんしたので反論がないわけではない。君主国家でもないのに,過去の王朝の実録編さんが法的に可能なのかという疑問もある。しかし,韓国人でなければ誰も朝鮮王朝実録の空白を埋めてはくれない。
朴槿恵 大統領は 「誇らしい歴史を正しく教えるべきだ」と言う。当然,韓国の歴史は誇らしい。だが,誇らしい歴史を書くには,まず誇らしい史料を発掘しなければならない。現代史も同じだ。故・金泳三 大統領在任時に始まった「歴史の立て直し」は,金大中・盧武鉉 政権を経て韓国現代史全体に影響を及ぼした。しかし,だからといって今の政府のように歴史を解釈の見直しをすべきだと食ってかかっているわけではない。まず,史料発掘に人材や資金を投じた。盧武鉉政権時に活動が始まった「真実・和解委員会」の場合,投入された人材は230人,予算は759億ウォン(現在のレートで約81億円)に達した。同委員会がまとめた資料を見ると,解放後の韓国は暗黒の国だった。もちろん恥ずかしい歴史も韓国史の一部だ。史料発掘を通じて悔しさを晴らした国民も多い。しかし,歪曲された部分もあった。朴大統領があれほど憤慨する教科書の左派寄りの主張は,多くの部分でそうした史料に基づいている。帝国主義時代の日本の史料を克服できずに誇りを持って韓国近代史を書くことができないのと同様,左派寄りの史料を克服できずに誇りを持って現代史を書くことはできない。苦労して書いたとしても,権力の流れと共に消えるだろう。
朴大統領は,学者たちが「誇らしい史料」を発掘できるよう,これまでのどのような支援をし,どのような成果を得てきただろうか。帝国主義時代の日本や過去の政権が総力を挙げ山のように積み上げてきた恥ずかしい史料を,どのように取り除いてきたのか。歴史は解釈の見直しだけで新たに書けるものではない。
(転載了)
*************************************
とにかく 根拠のない主張を何とも思わない国です。
「韓国の歴史は 当然誇らしい。だが,誇らしい歴史を書くには,まず 『誇らしい史料』 を発掘しなければならない。」 と 『誇らしい史料』無しに 『誇らしい歴史』 と言い切ってしまうところが理解できませんが,少なくとも根拠がないことを認めています。
朴大統領が教えようとしている「誇らしい歴史」は,何の史料もなしに,こうあって欲しかったという物語にすぎないということでしょう。
一国の歴史は誇らしいことばかりではなく,恥ずべきことがあって当然です。
恥ずべきこと,忘れたいことを隠し,誇らしいこと(もしあれば)ばかりを書いたり,恥ずべきことを歪曲すれば物語です。
「誇らしい史料」と一緒に 「恥ずべき史料」も発掘しなければ歴史は書けません。
竹島を領土と主張する自国の史料なし,日本海を東海とする自国の史料なしの実績からすれば,おそらく探しても見つかる可能性は極めて低いでしょう。
そもそも,如何なる議論においても,データや論理よりも 声の大きさを優先する民族が歴史を書くのは とても難しく,向いてないことに思えます。
11月19日には ‘The New York Times’が 韓国の歴史捏造に触れており,今や,韓国の歴史捏造は世界的に周知されてきているようです。
それはそうと,史料が見つかったとして,漢字が読めるのかどうかが問題です。
| 固定リンク | 0
「ニュース」カテゴリの記事
- ウクライナ侵攻 1年5ヶ月後のプーチンの動機分析(2023.09.29)
- ロシアのウクライナ侵攻の翌日,「インサイダー」に掲載されたプーチンの侵攻理由(2023.09.27)
- 大相撲 秋場所 宇良関 9勝6敗で勝ち越し。(2023.09.25)
コメント