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2016年1月15日 (金)

「ブリッジ・オブ・スパイ」を観た。

「ブリッジ・オブ・スパイ」(‘Bridge of Spies’,2015)を観ました。

Bridgeofspies_a
スティーヴン・スピルバーグ(‘Steven Spielberg,1946~ )監督,トム・ハンクス(‘Tom Hanks’,1956~ )主演の 「歴史・伝記・ドラマ政治・アクション・戦争・スパイ・スリラー映画」(Wikipediaによる)と欲張った内容の映画です。
英語版Wikipediaでは ‘Historical drama-thriller film’とあって シンプルです。

U2物語は,1960年 ソ連上空を偵察飛行していた ロッキード U-2がミサイルで撃墜され,自爆死に失敗して パラシュートで脱出して捕まったパイロット,フランシス・ゲーリー・パワーズ(‘Francis Gary Powers’,1929~1977) を,米国内で逮捕され,禁固受刑中のソ連スパイと交換するための,東ベルリンでの交渉役となった民間の弁護士,ジェームズ・ドノバン(‘James Britt Donovan’,1916~1970)を主役とする実話に基づいています。(フロント・ロールでは ‘Inspired by True Events’)
交換は 1962年に行なわれました。
映画の中で ベルリンの壁が作られる様子が描かれています。これは1961年のことです。

この事件が発生した時(1960年),私は小学校6年生で ‘Uー2’と言う名の偵察機の存在を初めて知りました。
写真で見た黒く塗られた,グライダーのような,機体長さをはるかに超える長い翼を持つ機体が,いかにもスパイ機だと思った記憶があります。

初めての人工衛星,ソ連のスプートニク1号が打ち上げられたのが1957年で,1960年頃は スパイ衛星はまだ主流になっておらず,民間航空機の巡航高度 約10,000m の2倍の高度,70,000ft(21,000m)を偵察機が飛んで写真を撮っていました。
この高度を飛ぶ飛行機を迎撃できる戦闘機は,ほぼありません。

日本からヨーロッパに行くのに大圏コースであるソ連領空を飛ぶことが出来ず,給油なしのフライトは無理で,アンカレッジを経由(給油)していた冷戦時代です。

ドノバンは この交渉の前,1957年に FBIに逮捕されたソ連スパイ の弁護を引き受け,死刑が当然と思われた判決を禁固刑にしており,そのスパイ,ルドルフ・アベル(‘Rudolf Abel’,字幕では「アベル」となっていたが,劇中では 「エイブル」と発音されていた。本名:‘Vilyam “Willie” Genrikhovich Fisher’,1903~1971)が交換のスパイとなったための任命でした。
ドノバン弁護士は,スパイ アベルに対する陪審員による有罪の評決の後,死刑が当然予想される判決に対して,判決の前に判事に会って 死刑を避けるべきと述べ,その理由のひとつとして アメリカ人スパイがソ連に捕まった場合に,生かしておけば交換の提案ができるといい,そのとおりになりました。
もうひとつ,死刑にすべきではない理由として,アベルは ,二重スパイになることも,情報を CIAに漏らすことも拒否する,死刑を怖れぬ愛国者であって,敵国のスパイとはいえ,その兵士としての人格は尊重すべきであり,それがアメリカの正義だと説きました。

題名の 『ブリッジ・オブ・スパイ』 のブリッジとはスパイ交換が行われた,ポツダムにある 「グリーニッケ橋」(Glienicke Bridge)のことで,冷戦時代は西ベルリンと東ドイツと繋ぐ立地から米ソ間のスパイ交換の場として使われたそうです。

BridgeGlienicker_brcke

Google_bridge
Bridge_movieGoogle Street View で,この橋をベルリン側からポツダム方面に渡ってみました。

映画に登場したのと同じ橋です。55年前の橋(1947年 竣工)が そのまま残っているようです。

Markトム・ハンクスは 勿論,うまく演じていましたが,特筆すべきは 「ルドルフ・アベル」を演じた 英国俳優 「マーク・ライランス」(‘Mark Rylance’,1960~ ’)の演技でした。
これまでの映画に登場したスパイとは違った,力まず,飄々として 自然なキャラクターで,それが却って真実味を感じさせました。
この映画は アカデミー賞本命と宣伝されているようですが,彼が助演男優賞を獲っても不思議ではない気がします。

Abel_stamp全篇,眠気を感じさせない,いい映画でした。

尚,ソ連は,その崩壊の前年の1990年に,ルドルフ・アベルの記念切手を発行しています。

(追記)
アップした後,何気なく 検索すると,1月14日,アカデミー賞のノミネートが発表されており,予想通り,マーク・ライランスは助演男優賞にノミネートされていました。

本作品のノミネート部門は他にー

・作品賞,・脚本賞,・美術賞,・音響編集賞,・録音賞,・作曲賞

でした。

(追記 2)
ドノバン弁護士の自宅シーンで TVに映っていたのが 「サンセット77」(‘77 Sunset strip’,1957~1964)で,その テーマソングが流れていました。

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