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2016年1月 9日 (土)

ニューヨーク・タイムズの「銃規制」に関する社説

2015/12/5付け ‘The New York Times’の一面に ‘End the Gun Epidemic in America’  (米国における銃異常蔓延の終焉)と題する社説(Opnion Page by Editorial Board)が掲載されました。
米国における銃による度重なる大量殺人事件に鑑みて銃規制を訴えるこの社説を読んでみました。

その全文を拙訳と共に転載します。

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It is a moral outrage and national disgrace that civilians can legally purchase weapons designed to kill people with brutal speed and efficiency.

非人道的なスピードと効率で人々の命を奪うように設計された武器を,一般人が合法的に購入することができることは,道徳侵害であり,国家的不名誉である。

All decent people feel sorrow and righteous fury about the latest slaughter of innocents, in California. Law enforcement and intelligence agencies are searching for motivations, including the vital question of how the murderers might have been connected to international terrorism. That is right and proper.

カリフォルニアにおける 先日の,何の罪もない人々の虐殺に対して,すべての良識ある人々は,悲しみと正義の憤りを感じている。
警察と情報機関は,殺人者等が国際テロに関係しているかの重大疑問を含んで動機を捜査しており,それは正しく,妥当である。

But motives do not matter to the dead in California, nor did they in Colorado, Oregon, South Carolina, Virginia, Connecticut and far too many other places. The attention and anger of Americans should also be directed at the elected leaders whose job is to keep us safe but who place a higher premium on the money and political power of an industry dedicated to profiting from the unfettered spread of ever more powerful firearms.

しかし,コロラドでも,オレゴンでも,サウスカロライナでも,ヴァージニアでも,コネチカットでも,そしてその他多くの場所でもない,カリフォルニアでの死者にとって,動機は重要ではない。
アメリカ人の注目と怒りは,我々の安全を保つことが仕事であるにもかかわらず,より高いプレミアムを,お金と,これまでより強力な銃の制限のない拡散によって利益を得る産業に対する政治的力に置く,選挙で選ばれたリーダー達にも,向けられなければならない。

It is a moral outrage and a national disgrace that civilians can legally purchase weapons designed specifically to kill people with brutal speed and efficiency. These are weapons of war, barely modified and deliberately marketed as tools of macho vigilantism and even insurrection. America’s elected leaders offer prayers for gun victims and then, callously and without fear of consequence, reject the most basic restrictions on weapons of mass killing, as they did on Thursday. They distract us with arguments about the word terrorism. Let’s be clear: These spree killings are all, in their own ways, acts of terrorism.

非人道的なスピードと効率で人々の命を奪うように設計された武器を,一般人が合法的に購入することができることは,道徳侵害であり,国家的不名誉である。
これらは,戦争に使われる武器であり,少しだけ改造されて,男性的自衛主義と暴動の道具として市場に出回っている。
アメリカの選挙で選ばれたリーダー達は,祈りを銃の犠牲者に捧げた後,無情に,そして,結果を怖れることなく,木曜日に発生したような大量殺人の武器の,最も基本的な規制を拒絶する。
彼らは,テロリズムという言葉による議論で,問題の本質から我々の気を逸らす。
これらの連続する殺人事件は全て,彼等の方法によるテロリズム行為であることを明らかにしよう。

Opponents of gun control are saying, as they do after every killing, that no law can unfailingly forestall a specific criminal. That is true. They are talking, many with sincerity, about the constitutional challenges to effective gun regulation. Those challenges exist. They point out that determined killers obtained weapons illegally in places like France, England and Norway that have strict gun laws. Yes, they did.

銃規制の反対者は,全ての殺人事件の後で,法律は常に,特定の犯人に予め対処することはできないと言う。それは真実である。
効果的銃規制は憲法への挑戦であると,極めて真剣に,この規制は挑戦であると彼らは語る。
厳しい銃規制法があるフランス,イギリス,ノルウェーのような国では,確信的な殺人者は,不法に武器を手に入れると彼らは指摘する。確かに,そのとおりである。

But at least those countries are trying. The United States is not. Worse, politicians abet would-be killers by creating gun markets for them, and voters allow those politicians to keep their jobs. It is past time to stop talking about halting the spread of firearms, and instead to reduce their number drastically — eliminating some large categories of weapons and ammunition.

しかし,少なくとも,それらの国は努力している。アメリカ合衆国は,そうではない。
更に悪いことに,政治家は銃市場をつくることによって将来,殺人者になる可能性がある者をけしかけ,そして,有権者は これらの政治家が仕事を続けることを許している。
銃の拡散を止めることについて話すのを止めて しばらく経つ,かと言って,銃の数は減ってないし,武器と弾薬の産業は存続したままである。(下線部訳,自信なし。)

It is not necessary to debate the peculiar wording of the Second Amendment. No right is unlimited and immune from reasonable regulation.

憲法修正第2条(個人の銃器保有・所持する権利を保障)の固有の表現を議論する必要はない。
権利は無制限ではないし,合理的な規制を免れない。

Certain kinds of weapons, like the slightly modified combat rifles used in California, and certain kinds of ammunition, must be outlawed for civilian ownership. It is possible to define those guns in a clear and effective way and, yes, it would require Americans who own those kinds of weapons to give them up for the good of their fellow citizens.

カリフォルニアで使われる,わずかに改造された戦闘ライフルのような特定種類の武器や特定の種類の弾薬を,一般人が所有することは非合法化されるべきである。
明確で効果的な方法で,これらの銃を特定することは可能であり,これらの武器の所有者は,同胞のために それらを放棄することが求められる。

What better time than during a presidential election to show, at long last, that our nation has retained its sense of decency?

我が国が,良識を 何とか保っていることを示すのに,大統領選挙期間ほど適した時期はないのではないか?
(転載了)

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1月5日,オバマ大統領は,大統領令による新たな銃規制強化策を発表し,現状の法規制の枠組みの中ですべての販売業者に免許取得を義務付けたり,殺傷力の強い銃の購入者の犯罪歴の確認などを徹底させたりするとのことで,憲法に抵触しない一歩前進と言えます。

他方,ドナルド・トランプ氏は 「もっと多くの米国市民が銃を持てば,オレゴン州の大学で10月に発生したような銃乱射事件の犠牲者を減らすことができるかもしれない。銃を持つ人の数が増えれば防御力が上がるだろう。正しい人間が銃を持つことになるのだから。」 と述べたそうです。ほとんど西部劇の世界です。事件を起こしているのも米国市民です。
正しい人間が銃を持つのに比例して 正しくない人間も銃を持つことになります。
このような論理を展開する大統領候補者が支持率を増やすアメリカは不思議な国です。

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