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2016年10月14日 (金)

世界の教師能力の比較

OECDが 2011~12年に,加盟24カ国(地域),15万7千人の16歳から65歳を対象に,成人が社会生活を送るために求められる能力のうち 「読解力」(Literacy),「数的思考力」(Numeracy) の 「国際成人力調査」(‘Programme for the International Assesement of Adult Compentencies’,PIAAC」を行い,その調査結果をまとめ,2015年に,‘Skills Outlook 2015/Survey of Adult Skills’に発表しました。
(弊ブログ,'16/3/28 「OECDによる成人力調査結果」で触れています。)

その調査結果に基づき,米国のシンクタンク 「ブルッキングス研究所 (The Brookings Institution)」が,23カ国から平均231人の教師(大学教授を除く)を抽出し,主に米国の教師のレベルを対象として力量を国際比較する研究を行い,2016年7月に ‘Teacher cognitive ability around the world ’(世界の教師の認識能力)として,発表しました。

一部抜粋し,私見を交えて転載します。

下図は 大学卒業生の力量分布中で 教師のレベルがどこにあるのか,「Panel A:数的思考力」,「Panel B:読解力」を示しています。

Numeracy_a

Literacy_a
灰色のバーは 各国の大学卒業生スキルレベルの百分位数25番目から75番目まで範囲を示し,赤マークは教師全体の中間スキルを示しています。

各国の教師の絶対レベルが世界でどの程度にあるのか,かつ,各国の大学卒業生全体で どのレベルに教師のレベルが相当するのかが分ります。

日本の教師の絶対レベルは 「数的思考力」,「読解力」ともに,フィンランドに次いで2位であり,さらに 国によっては 教師のレベルが,大学卒業生の平均力量より低い国もありますが,日本の教師の平均力量は大学卒業生の平均力量より高いことが分ります。

日本は,ベビーブームの子供が就学時期で 多くの教師が必要だった時代,「でもしか先生」と言われて 教師志向理由と彼らの能力の低さが問題になったことがありましたが,少子化の時代になって 教師への道が狭くなったため,現在は教師のレベルが大学卒業生の平均以上に向上したと見ることもできるでしょう。

この報告の要である米国の教師については 次のように述べています。

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For literacy skills, American teachers look about like the average college graduate, and their median score is slightly better than in the average country studied, but nowhere near the top. Numeracy skills of American teachers are below average both in comparison to other American college graduates and in comparison to teachers in other countries.

「読解力」に対して,アメリカの教師は平均的な大学卒業生と同程度に見え,彼らの中央値のスコアは,調査対象の平均的な国の中では少しよいが,トップではない。
アメリカの教師の「数的思考力」は,アメリカの大学卒業生と比較しても,他国の教師と比較しても,平均以下である。

Here is possibly the most surprising result of the research: despite the average skill level, American teachers are underpaid relative to the skills they have. Hanushek and coauthors estimated the differential in pay within each country controlling for experience, gender, and—importantly—for cognitive skills. They write “The estimates…indicate that teachers are paid some 20 percent less than a comparable college graduate elsewhere in the U.S. economy after adjusting for observable characteristics.”

ことによると,ここには研究の中の最も驚くべきの結果がある:平均的なスキル レベル にもかかわらず,アメリカの教師は,彼等が持っているスキルの割に低賃金である。ハヌスヘックと共同執筆者は,賃金の差は 経験,性別,および-重要な点だが- 認識能力を考えて各国は行っていると評価した。彼らは,「推定では,注目すべき特徴を調整すれば,合衆国経済の他の分野の同等なスキルの大学卒業生より 教師の賃金は20% ほど低いことを示す。」と書いている。

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米国の教師は,概ね 大学卒業生の平均的能力を有しているが,賃金的には恵まれてないようです。
それでも 教師になる人は 教育に対するそれなりの情熱があると考えるべきでしょうか。

さて 日本の教師は如何?

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