「ホリゾンタル・カラー」というらしいが・・・。
最近(もしくは ここ数年),TVで 所謂 ワイド・カラーのシャツを着ている人が目立ち,流行(定義が不明確ですが)のように思えます。
かつて(この50年ほど),このような割合で ワイド・カラーのシャツを着ている人が多い時代はなかったように思います。
着衣のタイプが一斉に同じ傾向に移るのは,着る物を個人の趣味・嗜好で選んでいるのではなく,流行,あるいは店員の勧めで選んでいるとしか言いようがなく,流されているようで悲しいものです。
もし,自分の趣味で選んでいると言い切るなら,せめて合わせている上着やタイのノットとの調和の考慮が感じられるはずです,が,・・・。
このようなカラーを何と呼ぶべきか調べると,ワイド・カラーでも開きが 180度に近い,あるいは以上のシャツもあって これを日本では 「ホリゾンタル・カラー」(水平までカラーが開いているから) あるいは 「フル・ワイド・カラー」 と言うようで,何れも 和製英語と思われます。
英語では何と言うか,例えば Brooks Brothers のホームページを見ると,やはり,かつてはなかった このようなカラーのシャツが流行に乗って存在して,次のような説明がありました。
‘Our non-iron dress shirt is crafted from American-grown Supima® cotton broadcloth and is finished with an English spread collar provides an ideal frame for more substantial tie knots.’ (イングリッシュ・スプレッド・カラーは,より カッチリしたノットに理想的なフレームになる。→ タイのノットがシャツのカラーに優先するような書き方!)
‘English spread collar’と呼んでいます。
一般的にはー
この図のように カラーの開きが 90度あたりを ‘Semi-Spread Collar’,90度以下の「レギュラー・カラー」(日本式名称)を ‘Point Collar’,90度以上を ‘Spread Collar’と言うようで,日本語の 「ワイドカラー」は英語では ‘Spread Collar’です。
拡がっているのが,‘Cutaway Collar’(これが 「ホリゾンタル・カラー」に相当?),狭いのが ‘Narrow Point Collar’です。
かつて,ショーン・コネリーの 007 も‘Spread Collar’のシャツを着ておりー
左は 「ドクター・ノオ(Dr.NO)」(1962) での ‘Cutaway Collar’,
右は 「ロシアより愛をこめて(From Russia with Love)」(1963)での ‘Spread Collar’に近いものでしょう。
Spread 具合に応じてタイのノットの大きさに注意を払った,ショーン・コネリーの着こなしは 流石です。流行では着ていません。
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