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2016年11月 3日 (木)

‘IWC’の目的と反捕鯨国の関係が分らない。

隔年で開催される国際捕鯨委員会(International Whaling Commission:IWC)の総会(第66回)が,10月24日から5日間,加盟国88ヶ国中64ヶ国が出席して,スロベニア共和国で開催されました。

この結果について 水産庁が10月29日付けて報告していました。

主な結果はー
   ・鯨類科学調査に関する豪州・NZ決議(豪州・NZが提案し,日本は反対)→投票結果,賛成:34票,反対:17票,棄権:10票 で採択。
  決議内容:総会がその下に新たに設置される作業部会の助言を得て,鯨類科学調査計画について意見を表明することを決定する。ただし,科学委員会による現行の評価手続を変更しない。(手続きを面倒にすることが狙い?)
  我が国は,本決議が,鯨類科学調査に関する特別許可発給を不当に制限するとともに,評価の公平性や科学的根拠が損なわれる可能性があることから,問題点を指摘した上で反対票を投じ,決議採択後もこの旨を明確に表明した。

  ・南大西洋サンクチュアリ(鯨類保護区)設置提案(アルゼンチン・ブラジル等が提案,日本は反対)に係る国際捕鯨取締条約附表修正提案(採択には4分の3の多数が必要)は,投票結果,賛成:38票,反対:24票,棄権:2票で否決。

    ・日本の沿岸小型捕鯨に関して
日本から,本件を巡る賛否対立の根本的理由について議論することを提案。アイスランド・ノルウェー等が日本提案を支持。
豪州・NZ・モナコ等は,(ア)商業捕鯨モラトリアムの継続を支持する,(イ)新たな捕鯨のカテゴリーは受入不可である,(ウ)情勢の変化に伴いIWCの目的は鯨類保護に変容している旨発言した。
我が国より,本件をめぐる意見対立の根本的理由はIWCの全体に関わる問題なので,別議題である「IWCの将来」において議論を継続したい旨提案し,受け入れらた。

   ・IWCの将来
日本から,次回総会までの閉会期間中に,鯨類に対する根本的な意見の違いを踏まえた今後のIWCの道筋に関して,透明性のある形で議論を実施することを提案
今後,日本の提案をたたき台とし,具体的な進め方も含め関係国から意見を聞きながら進めていくこととなった。

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IWCの目的は 「捕鯨産業の秩序ある発展を可能とすること」です。

その目的を果たす手段として鯨を絶滅させないための適切な保護策を提案・講じるためにIWCは存在します。
「鯨の保護」は あくまで手段であり,目的と取り違えてはいけません。

IWCの定義は下記です。

‘The International Whaling Commission (IWC) is an international body set up by the terms of the International Convention for the Regulation of Whaling (ICRW), which was signed in Washington, D.C., United States, on December 2, 1946 to “provide for the proper conservation of whale stocks and thus make possible the orderly development of the whaling industry”.’

国際捕鯨委員会(IWC)は,1946年12月2日に ワシントンD.C.でサインされた国際捕鯨条約(ICRW)により設立された 「鯨資源の適切な保護策を提供し,それによって捕鯨産業の秩序ある発展を可能とする」ための国際組織である。

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近年のIWCの活動・報告を見ると 「反捕鯨国」の文字が盛んに出てきます。

いつも言われることですが,「捕鯨産業の秩序ある発展」を目的とする委員会に「反捕鯨国」,すなわち 「捕鯨産業の発展を望まない国」が加盟している,もしくは加盟を許している理由が分りません。
  素朴に言えば,鯨肉を食べるつもりのない国,捕鯨をするつもりのない国は 「捕鯨産業の発展」に無関係です。

捕鯨反対国が加盟している/させている現在の状況は,IWCの設立趣旨からすれば IWCは既に破綻していると言っていいかも知れません。
もし,かつての捕鯨国が反捕鯨国に変わったなら,その時点で IWCから脱退するのが正常な姿でしょう。

今回の総会においても,反捕鯨国から 「情勢の変化に伴いIWCの目的は鯨類保護に変容している」旨の発言があったとのことです。
もし,IWC設立時の目的を変えるなら 明確に宣言し,然るべき手続きが必要であって,それが現実化されるなら 本来の目的で加盟している国は脱退も視野におくのは当然のことです。目指す目的が異なる国間の議論は不毛です。(現時点でも その傾向が多分に見られる。)

鯨が賢いからとか,捕鯨は残酷だからという理由で捕鯨を禁止すべきだという道徳的議論は IWCの設立趣旨に馴染みません。
「鯨を食べなければならない理由がないから捕鯨に反対する。」などの主張への反論は不要です。公平に考えて 動物性食料資源のどれ一つをとっても 栄養の観点からは それを食べなければならない理由が存在するはずがなく,どれにでも代替資源はあります。「鯨」に敢えて焦点を合わせる必然性がありません。
これは 食の伝統と嗜好の問題で,野生の「兎」や 「鹿」を狩って食用にするのと同様です。

尾の身の刺身を,昔のように(物価換算して)\400~500/100g 以下で食べたいと思い続けて 40年以上になります。

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