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2017年3月22日 (水)

エンジン音増幅装置付き?

3月17日,新聞の新製品紹介欄に 「レクサスの最上級クーペ LC」が掲載されており,記事中に 「・・・ エンジン音を増幅させる装置を備える。・・・ 」と書いていました。

高級車は エンジン音をカットした車内の静粛性を売りにするのが普通で,増幅されたエンジン音を喜ぶのは マフラーに細工するような暴走族だけではないのか,「レクサス」のオーナーが? と疑問を持ちました。

どういうことだろうと,ネットで‘Lexus LC’の詳しい説明を探すとー

Lc「フロント・ミドシップに搭載されるパワー・ユニットは2種類。『LC500』の 5.0リッターV型8気筒エンジンは最高出力477ps/7,100rpmと最大トルク540Nm/4,800rpmを発揮。『天使の咆哮』と呼ばれたスーパーカー 『LFA』のサウンドを継承しているという。吸気脈動によってダンパーを増幅振動させ,心地よいエンジン音を室内に響かせる 『サウンド・ジェネレーター』や,排気流路の切替バルブを採用することで,クルージング時の静粛性と加速時の迫力あるサウンドを両立させている。」と書いていました。
「加速時の迫力ある(エンジン)サウンド」を目指しているということでしょうか。
Lexus LFA : 「レクサス」が,2010年12月から2012年12月にかけて限定生産・販売した2人乗りのスポーツカー)

よく分りませんが,「天使の咆哮」の 「サウンド・ジェネレーター」だそうです。

2015/1/21付け電子版 ‘The Washington Post’に ‘America’s best-selling cars and trucks are built on lies: The rise of fake engine noise(アメリカのベスト・セラー・カー/トラックは嘘の上に組み立てられる: フェイク・エンジン・ノイズの台頭)いう記事がありました。

長文なので以下 部分転載(拙訳御免)します。
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Stomp on the gas in a new Ford Mustang or F-150 and you’ll hear a meaty, throaty rumble — the same style of roar that Americans have associated with auto power and performance for decades.

新しいフォードマスタング もしくは F-150 でアクセルを踏み込めば,迫力ある,太い轟音が響く - 数十年の間,アメリカ人が自動車の性能と結び付けてきたのと同じ うなりである。

・・・

Fake engine noise has become one of the auto industry’s dirty little secrets, with automakers from BMW to Volkswagen turning to a sound-boosting bag of tricks. Without them, today’s more fuel-efficient engines would sound far quieter and, automakers worry, seemingly less powerful, potentially pushing buyers away.

作りもののエンジンノイズは,BMWからフォルクスワーゲンまで,自動車メーカーは トリック音発生装置に進み,自動車業界の 汚れた小さな秘密のうちの1つになっている。それら無しでは,今日の,より燃料効率がよいエンジンは静か過ぎて,パワーが劣っているように思え,自動車メーカーは,潜在的に客が遠ざかるのではないかと気にしている。

Softer-sounding engines are actually a positive symbol of just how far engines and gas economy have progressed. But automakers say they resort to artifice because they understand a key car-buyer paradox: Drivers want all the force and fuel savings of a newer, better engine — but the classic sound of an old gas-guzzler.

より柔らかい音のエンジンは,実際のところ,エンジンと燃料消費率がどのくらい進歩したかの積極的な象徴である。しかし,自動車メーカーは,それらが車の買手の逆説のキーと理解しているので,巧妙さを当てにしていると言う: ドライバーは,より新しい,よりよいエンジンのすべての力と高燃費を望んでいる- しかし,古い高燃費車の古典的な音も望んでいる。

“Enhanced” engine songs have become the signature of eerily quiet electrics such as the Toyota Prius. But the fakery is increasingly finding its way into beefy trucks and muscle cars, long revered for their iconic growl.

「改良された」エンジン音は トヨタ・プリウスなどの,不気味に静かな電気自動車の特徴になった。しかし,インチキは,それらの象徴的うなり声で長く崇められ,たくましいトラックと 筋肉質な車への適用が増えている。

For the 2015 Mustang EcoBoost, Ford sound engineers and developers worked on an “Active Noise Control” system that amplifies the engine’s purr through the car speakers. Afterward, the automaker surveyed members of Mustang fan clubs on which processed “sound concepts” they most enjoyed.

2015年型マスタングEcoBoost に対して,フォードのサウンド・エンジニアと開発者は,車載スピーカーを通して エンジン音を増幅する「アクティブ・ノイズ・コントロール」システムに取り組んだ。後に,自動車メーカーは,マスタング・ファンクラブのメンバーが もっとも満喫した,処理された「サウンド・コンセプト」を調査した。

Ford said in a statement that the vintage V-8 engine boom “has long been considered the mating call of Mustang,” but added that the newly processed pony-car sound is “athletic and youthful,” “a more refined growl” with “a low-frequency sense of powerfulness.”

フォードは,声明の中で,ヴィンテージ V-8 エンジンの 轟は 「長い間,マスタングの仲間を呼ぶ叫びと考えられてきた。」 と言ったが,新しく開発した 「ポニー・カー」の音は ,「強健で,若々しく」,「強力な低周波の感覚」を伴った「より洗練されたうなり声」だと追加した。

・・・

Car companies are increasingly wary of alerting buyers that they might not be hearing the real thing, and many automakers have worked with audio and software engineers to make their cars’ synthesized engine melody more realistic.

自動車会社は,真実を聞こうとしない注意すべきバイアーに ますます慎重になりつつあり,多くの自動車メーカーは,車の合成されたエンジン音をよりリアルにするためオーディアやソフトウェア・エンジニアと仕事をしてきた。

Volkswagen uses what’s called a “Soundaktor,” a special speaker that looks like a hockey puck and plays sound files in cars such as the GTI and Beetle Turbo. Lexus worked with sound technicians at Yamaha to more loudly amplify the noise of its LFA supercar toward the driver seat.

フォルクスワーゲンは,ホッケー・パックのような特別な,「Soundaktor」 と呼ばれるスピーカーを用い,GTIやビートル・ターボなどの車で サウンド・ファイルを作動させる。レクサスは,運転席に向けた LFAスーパーカーのノイズをより大きく増幅するために,ヤマハの音響専門家と連携した。

Some, including Porsche with its “sound symposer,” have used noise-boosting tubes to crank up the engine sound inside the cabin. Others have gone further into digital territory: BMW plays a recording of its motors through the car stereos, a sample of which changes depending on the engine’s load and power.

sound symposer」を付けているポルシェを含み,室内にエンジン音を響かせるため,「noise-boosting tube」を使っている車がある。他の車種では,更に デジタルの領域に入り込んでいる: BMWは,エンジンのロードとパワーに依存して変化するモーター音のデータを カー・ステレオを通じて発生させる。

Orchestrated engine noise has become a necessity for electric cars, which run so quietly that they can provide a dangerous surprise for inattentive pedestrians and the blind. Federal safety officials expect to finalize rules later this year requiring all hybrid and electric cars to play fake engine sounds to alert passersby, a change that experts estimate could prevent thousands of pedestrian and cyclist injuries.

電気自動車は あまりに静かに走るため,不注意な歩行者や盲人に対して危険を察知させるため,調整されたエンジン・ノイズが必要になっている。連邦安全委員会は,今年末に 全てのハイブリット車と,電気自動車に,通行人に注意を促すためのフェイク・エンジン音を出すことを義務付ける法律を成立させようとしており,これにより 数千人の歩行者と自転車乗りの怪我を防止できる。

・・・

Which raises a more existential question: Does it matter if the sound is fake? A driver who didn’t know the difference might enjoy the thrum and thunder of it nonetheless. Is taking the best part of an eight-cylinder rev and cloaking a better engine with it really, for carmakers, so wrong?

より経験的な疑問が発生する:もし音が偽物なら,それが問題か? 違いを知らないドライバーは,それにもかかわらず,そのかき鳴らし音と雷を楽しむことができるかも知れない。8気筒回転の最もよい部分を採用し,それによってより良いエンジンを実際に覆うことは,自動車メーカーにとって そんなに間違ったことなのか?

Not everyone is so diplomatic. Karl Brauer, a senior analyst with Kelley Blue Book, says automakers should stop the lies and get real with drivers.

誰もそんなに如才なくはない。‘Kelly Blue Book’の上級アナリスト,カール・ブラウアは,自動車メーカーは嘘を止めて,ドライバーに対して正直になるべきだと言う。

“If you’re going to do that stuff, do that stuff. Own it. Tell customers: If you want a V-8 rumble, you’ve gotta buy a V-8 that costs more, gets worse gas mileage and hurts the Earth,” Brauer said. “You’re fabricating the car’s sexiness. You’re fabricating performance elements of the car that don’t actually exist. That just feels deceptive to me.”

「もしあなたがその細工をしたければ,すればいい。それを持てばいい。顧客に言えばいい : もし,あなたが V-8の轟音を望んでいるならば,もっと高い V-8 を買わなければならず,燃費は悪くなり,地球を汚す。」と,ブラウアは言った。「あなたは 車のセクシーさを組み立てている。あなたは,実際には存在しない車の性能要素を偽造している。私には ごまかしにしか感じない。」

(部分転載了。)
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音や振動が発生すれば それらのためにエネルギーを消費するので,生のエンジン音が小さく,振動が小さいことはガソリンを,より無駄なく走行エネルギーに変換している,すなわちエンジン性能が優れていることを意味します。
エンジン性能が向上し,エンジン音が小さくなり,それでは満足できないドライバーのため エンジン音を増幅させる 「しくみ」を備えている車があるというおかしなことになり,このような 「しくみ」を この記事では “dirty little secrets” と表現しています。
Lexus LC’の場合,‘secret’ではなく,それを堂々とセールス・ポイントにしているということのようですが,車外に発生させる音でなければ 第三者がとやかく言うことではないでしょう。
もし,その目的のためにエネルギーを消費しているなら問題でしょうが・・・ 。

それにしても ‘Lexus LFA’ はエンジン音増幅のため ヤマハの音響技術者も加わって設計していたという拘りには驚きました。

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