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2017年4月22日 (土)

『バーニング・オーシャン』 を観た。

実録事故映画(biopic disaster film),「バーニング・オーシャン」(‘Deepwater Horizon’,2016)を 公開初日に観ました。

Deepwater_horizon_ver9

2010年,メキシコ湾で原油掘削(試掘)中,天然ガス,原油が噴出し,火災発生,爆発,沈没,海底から大量の原油を流出させた石油掘削リグ ‘Deepwater Horizon’の事故を描いた映画です。
この掘削リグの正式な普通名詞は ‘ultra-deepwater, dynamically positioned, semi-submersible offshore drilling rig’で,「超深水」,「動的位置調整」,「半潜水」の掘削リグです。

Deepwater_horizon_poster_bDeepwaterhorizonposter0220年近く前,この掘削リグ構造部分の基本設計(「詳細設計~建造」は韓国・現代重工)に関わって,4回 ヒューストンに設計打ち合わせのため出張し,正月休みまで自宅にデータの入ったPCを持ち帰り,構造解析のまとめを行うなど苦労した記憶があり,事故発生時は原因がミス・オペと報道されるまで気が気ではない経験をし,構造配置や構造の重要ヶ所などを知る者としては観るしかありません。

この事故による死者は11名で エンド・クレジットの前に 実名と写真が映されます。
流出した推定原油量は 4.9 million barrels (210 million US gal; 780,000 m3) で,VLCC(大型タンカー)約3隻分です。

米国連邦地方裁判所は,原油が流出した責任は,重大な過失および無謀な指示を行なったBPにあると 2014年9月に判決を下し,BPは 2015年7月,罰金として 米国の歴史上,企業が払う最高額187億ドル(約2兆円!)払うことに同意しました。
2015年5月に映画の撮影が始まっていますが,裁判の様子(実写を含め)が映されます。

事故はー

2010年4月20日,民間会社 「トランス・オーシャン社」が稼働・運用している石油掘削リグ ‘Deepwater Horizon’は,BP(オイルメジャー)のために ルイジアナの南岸から沖合80km離れたメキシコ湾で掘削を開始しようとしていました。

掘削の遅れを取り戻そうとして リグの監督留守中に,BPのマネージャーが 安全上必要なテストを 省くよう指示したことが主な原因となって事故は発生します。

登場する主な人物はー
  ・‘Chief Electronics Technician’(チーフ電子技師) マイク・ウィリアムズ,演じるは 「マーク・ウォールバーグ」(‘Mark Wahlberg’,1971~ ),
  ・‘rig supervisor’(リグ監督) ジミー・ハレル,演じるは 「カート・ラッセル」(‘Kurt Russell’,1951~ )
  ・‘BP manager’(BPマネージャー) ドナルド・ヴィドリン,演じるは 「ジョン・マルコヴィッチ」(‘John Malkovich’1953~)

実録なので 「どんでん返し」などなく,ストーリーは単純ですが,それだけに石油掘削リグの仕事と危険性が分って興味深く,20年前 基本設計開始前に 掘削オペレーション要領を勉強したことを思い出しました。
ただ,一般の人には 爆発,炎上のシーンがメインで,掘削の詳細プロセス,テストなどを描いたシーンは退屈かも知れません。

映画の中での重要要素である 圧力が psipound-force per square inchの単位で示されるので 直観として分りにくいのですが,字幕で SI単位のPa などに変換する(1psi=6.9kPa,0.07kgf/㎠)のもおかしなものなので仕方ありません。

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