明治の遺産,シールド工法で水道管更新。
何年か前から,呉市蔵本通り沿いの堺川公園の海側の一部に内部が見えない工事中であろう囲いができていて なかなか撤去されません。
この囲いの範囲内で何年もかかる工事とは?と不思議に思いながら,何の工事か確かめないままでいましたが,最近 そばを通って分りました。
ここに トンネル掘削の立坑がありました。
「太田川東部工業用水道事業」のシールド工法による水道管敷設(更新)工事でした。
工事費は何と,30億円超です。
それでも道路を開削して敷設するのに比べるとメリットがあるのでしょう。
工事は 「二河接合井」~「宮原接合井」間 約2.6kmで 下図に示すルートで,堺川公園のこの囲いの中には中間立坑があるようです。
竣工は今年の8月31日なのは分りましたが,着工がいつだったかを書いておらず,囲いに貼ってある書類を探して 「労災保険関係成立票」の「事業の期間」に 自平成24年9月28日を見つけました。
これが着工日と思われるので 工事期間は ほぼ5年となり,休みなしの平均: 1年で520m,1ヶ月で43m,1日で1.4m で,大変な工事です。
掘削外形は Φ2,480mm,内部鋳鋼管は Φ1,600mm。
中途半端な直径で 管内を人間が立って移動するのは大変そうで,全長 2.6kmに中間立坑が1ヶ所は怖いですね。
地表からの位置は示しておらず,恐らくは 5m 以上でしょう。
この水道管は現在存在している管の更新です。
元々の水道管は,1889年(明治22年)に呉鎮守府が軍用水道として海軍工廠のために,二河水源地取水口から宮原浄水場までを結んだもので,今回の工事範囲外は旧設備を使用するのかどうか不明です。
又,130年近く前に敷設された水道管に対して,今回の更新が初めてなのかどうかも分りません。とにかく 大工事です。
上の写真は この水道管の始終箇所の 「二河水源地取入口」 と 「宮原浄水場・低区配水池」 ,いずれも 国登録有形文化財です。
それにしても 明治の半ば,それほど豊かだったとは思えない時代に これほどの工事を 「富国強兵」の目的のために実施した決断力と実行力は現代でも見倣うべきかもしれません。まさに 「国家百年の計」です。
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