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2017年6月 3日 (土)

NHK 「一本の道」で 「メナイ橋」を知った。

Img_2349NHK BSプレミアムの ドキュメンタリー旅番組 「一本の道」,5月30日 放送は 「“英国の中の異国”を歩く~イギリス・ウェールズ北部~」でした。

United Kingdom’(連合王国)を構成する 「ウェールズ」の北部 60kmを 中川緑アナウンサーが 6日かけて歩きました。

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Img_2353_2ルートは,ウェールズ北部のアングルシー島(Isle of Anglesey)のドゥイラン(Dwyran)を出発し,本土 グレート・ブリテンとの間の 「メナイ海峡」(Menai Strait)に沿って 北東に向かい,世界遺産の 「コンウィ」(Conwy)を経由して ゴールは 「グレートオーム」(Great Orme)です。

2日目は アングルシー島の 「スランヴァイル P.G.」から 本土の 「ポース・ペンリン」までのルートでした。

この時,メナイ海峡に架かる橋を渡りました。

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この初めて見る,橋脚が石積みで,桁とケーブルが金属というハイブリットの興味深い吊り橋 ‘Menai Suspension Bridge’について調べてみました。

  ・完工:1826年(文政9年。日本では前年に 「異国船打払令」,2年後に「シーボルト事件」の時代です。明治元年は42年後の1868年。)
  ・材料:錬鉄(Wrought Iron,1889年完成のエッフェル塔も錬鉄),石
  ・全長:417m
  ・幅:12m
  ・最大支間長:176m

Menai_suspension_bridge_dec_09_2
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面白いのは上図に示されているように メイン・ケーブルが 「ワイア」ではなく 「チェイン」が使われていることです。
図のタイトルが ‘CHAIN BRIDGE erecting over the MENAI’であって ‘SUSPENSION BRIDGE’ではありません。
おそらく この時代は ワイアの強度や最大伸びなどが保証できず,実績のあるチェインを採用したのでしょう。
英文Wikipediaには次のような説明があります。

Then came the sixteen huge chain cables, each made of 935 iron bars, that support the 176-metre (577 ft) span. ・・・ The chains each measured 522.3 metres (1,714 ft) and weighed 121 long tons (123 t; 136 short tons).

「176mのスパンを支えるのは,各々 935個の鉄棒から作られた16本の巨大なチェイン・ケーブル。各チェインの長さは 522.3m,重さは 123ton。」

Aimg_2358今回放送の映像(左)では チェインではなく ワイアのように見えます。

路面は完成当初は ‘Wooden Deck’でしたが,1893年に ‘Steel Deck’に変更されたようです。

問題のチェインに関しては ‘in 1938 the original wrought iron chains were replaced with steel ones’と書かれており, ‘steel wire’ではなく ‘steel ones’なので 「オリジナルの錬鉄チェインが鋼鉄製に置き換えられた」 となり,ワイアになったとは書かれていません。

200年近く前の大型吊り橋が立派に用を足しているのに感心します。
この時代に 構造力学は ほぼ完成していたと思われます。不足していたのは疲労強度や風の影響(共振,自励振動)に関する知見だったのでしょうが,十分な安全率と ‘幸運’で問題にならなかったということでしょう。

今回の放送で他に印象に残った映像はー

Img_2356Img_2363

ウェールズ名物の 「子羊のスネ肉の煮込み」 と 「コンウィ城」。
「コンウィ城」は 13世紀に,イングランド王エドワード1世が ウェールズを征服し,反乱を防ぐため町を囲む外壁と共に築いた,との説明がありました。

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