「セイロン」が 「スリランカ」になった理由。
9月7日の朝日新聞 天声人語 『ロヒンギャの迫害』は 「日本ではビルマ,英語ではバーマ。その表記がミャンマーに変わったのは,1989年だった。従来の国名は多数派の 『ビルマ族』」を指しており,変更すれば少数民族を含めた・・・ 」の書き出しで始まり,ミャンマーの民主化に疑問を呈して括っています。
これを読んで,民族や民主化の話とは関係なく 「国名の変更」で 「セイロン」が 「スリランカ」に変わったことを考えました。
スリランカは 正式には 「スリランカ民主社会主義共和国」で,首都は スリジャヤワルダナプラコッテ。1948年,イギリスから自治領(英連邦王国)のセイロンとして独立。1972年にはスリランカ共和国に改称し,英連邦内の共和国となり,1978年から現在の国名となっています。
すなわち 「セイロン」が 「スリランカ」に変わったのは1972年(45年前)のようです。
それまで 国名「セイロン」,首都 「コロンボ」と長い間 覚えていました。
何故,「セイロン」が 「スリランカ」に変わったのか,約30年前に 仕事で知り合ったスリランカ人に尋ねたことがありました。
記憶に残る彼の答えは 意外なものでした。
「元々は 『スリランカ』だった。しかし,イギリスの植民地時代 『スリランカ(Sri Lanka)』が イギリス人には発音し難かったので 『セイロン』とした。植民地から自治領となった後,24年経って かつての名前に戻した。」
ーと,英語によるやりとりでしたが,シンプルで 分り易い説明で 納得しました。
‘r’の前の ‘s’は発音しにくく,‘s’が ‘sh’になりがち?
ところが ネットで調べても そのようなことを示しているサイトは見あたりません。
いずれにせよ 「セイロン」が「スリランカ」に変わったのではなく,1972年の独立を機に 「スリランカ」に 「戻した」 ということでした。
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コメント
18世紀,あるいは19世紀に インターネットは無理でした。
投稿: pink-sloth | 2020年8月20日 (木) 17時24分
その頃は、みんな知ってましたが他国のことですし、イギリスに遠慮して当たらずさわらずで過ごしてきました。
今のようにインターネットも無かったので、人々の記憶からこぼれ落ちてしまったんでしょうね。
早く、日本も西洋人から押し付けられた『ジャパン』を返上しましょう。
投稿: 化石の人 | 2020年8月20日 (木) 13時55分