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2017年9月 7日 (木)

日航機のエンジントラブルで「富嶽」を思い出した。

9月5日,羽田からNYに向かって出発した日航機の左エンジンが,離陸してすぐに火を噴くトラブルがあり,羽田空港に戻る事故がありました。
緊急着陸する前に房総半島沖に出て 1時間近く旋回し 燃料を放出投棄したそうです。

燃料を捨てる目的は,最大着陸重量内に収まるように機体重量を軽くすることで,最大着陸重量は着陸装置(おそらく 車輪部/脚部)の設計強度により決まるようです。

最大離陸重量は 離陸するためのエンジン能力(揚力)で決まり,車輪部/脚部の強度は ほぼ静的荷重で決まるので,それほど問題になりませんが,着陸時は機体総重量に加速度が加わった動的荷重になり,当然,離陸時より車輪部/脚部への荷重は大きくなります。(設計着陸加速度は不明)

この機体は ‘ボーイング777-300ER’で,スイス・エアのサイトによると(JALのサイトでは見つからず)-
   最大離陸重量 : 351,530 kg
   最大着陸重量 : 251,290 kg

となっており,最大着陸重量は 最大離陸重量より 100ton 軽くなっています。
(最大搭載燃料重量は 不明)
この重量以下で着陸する必要があるようです。
但し,安全率の問題であって,その荷重を超えて着陸すれば必ず機体が損傷する/事故を起こすとは限らず,燃料を捨てる時間がないような極めて緊急の場合(例えば生命にかかわる急病人発生),機長は,自らの判断と,自身のソフトランディングの技術を信じて着陸しないことがないとは言えないようです。

この事故の報道を聞きながら 「富嶽」を思い出しました。

Fugaku「富嶽」は 第二次世界大戦中,日本軍が計画した,6発の超大型戦略爆撃機であり,アメリカ本土爆撃を視野に入れ,日本を飛び立ち太平洋を横断してアメリカ本土を爆撃,そのまま大西洋を横断してドイツ(もしくはドイツが占領中のフランス)で補給を受け,再び逆のコースでアメリカを再爆撃して日本に戻ってくるという計画でした。

全長:45m(B-29の1.5倍),全幅:65m(B-29の1.5倍),爆弾搭載量:20トン(B-29の2.2倍),航続距離:19,400km(B-29の3倍)を目指していました。

勿論,1年やそこらで開発・設計できるはずもなく 幻の爆撃機となりました。

この爆撃機の計画仕様を見ると,面白いことにー
「引き込み脚,主輪数4(外側2輪は重量軽減のため離陸後投下)」とあります。
(ここが 日航機事故で思い出した部分です。)

なりふり構わず 航続距離を伸ばすために 車輪の半分を離陸後切り離して投棄し,機体をできるだけ軽くするということのようです。
爆撃機の離陸時重量のうち,着陸時にほぼ無くなっているのは 「燃料」と 「爆弾」で,これが離陸時重量の何%を占めるのか,着陸時の車輪の強度は大丈夫かと心配になります。

重量を確認すると ‘Wikipedia’にはー
   自重:42ton,全備重量:122ton とありました。(軽すぎる感あり。)

これを信じると 自重外は 80ton,これは 「燃料」,「爆弾」,「乗員」,「その他」で 「燃料」と 「爆弾」が主であり,この二つを全て消費すれば,離陸時の全備重量が 着陸時の 1/3強 となって 車輪強度が 離陸時の1/2 になっても 問題なし,だったのかも知れません。

昔の,幻の爆撃機ですが,ちょっと心配になりました。

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