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2017年10月 5日 (木)

ラスヴェガスで使われた銃はフル・オートマティックだったか?

10月1日夜,ラスヴェガスで発生した 死者58人,負傷者500人以上の被害者を出した銃乱射事件で,自殺した犯人 ステファン・パドックがホテルの部屋に持ち込んでいた23丁の銃の詳細は発表されていませんが,12丁のセミ・オートマティックのライフルには 疑似フル・オートマティックとなるディヴァイスが取り付けられていたとの報道があります。

the weekly StandardOct.2,2017付けで ‘Did Las Vegas Shooter Stephen Paddock Use a Fully Automatic Rifle? ’「ラスヴェガスの殺人犯は フル・オートマティック・ライフルを使ったか?」と題する記事が,米国におけるフル・オートマティックの銃の規制等に関して詳しく書いていたので読んでみました。
著者は Christian Lowe,a firearms industry expert and competitive shooter (銃火器工業の専門家 かつ 競技射撃手)です。

下記 翻訳転載します。(訳文で納得いかない方は原文を参照ください。)
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「フル・オートマティック」銃とは何か,何故 それらが非常に珍しいかー

58人を殺害し,500人以上を負傷させたラスヴェガスでの恐怖の銃撃事件に関する新たな情報が続いており,犯罪の1つの面がクリアになっている。

殺人犯が 隠し持っていた10丁もの銃の中から,どのようなタイプの銃を使ったとしても,最低その一つはフル・オートマティックであった: 現場にいた人の録音は,手慣れた射手が,特殊な引き金(specialized triggers)を用いたとしても 不可能な速度で連射していたことを明確に示していた。

それは 「発射モード選択(select fire)」銃器として知られている,フル・オート・モードで発射するようにデザインされた銃を意味する。更に,録音された発射音を ラフにカウントすると 標準の30発マガジンを装備したライフルを超える一連の発射音が認められる。

まず初めに:「セミ・オートマティック」銃は,引き金を1回引くこと毎に 1発発射するものである。ニュース・サイトは,1回 引き金を引いて(引き続けて)マガジン1本を撃ちつくすことが可能な「フル・オートマティック」銃とこれらの銃を混同している。
(*訳者注: 「セミ・オート」,「フル・オート」 に対する 「マニュアル」は 「ボルト・アクション方式」と呼ばれ,1発発射するごとに,ボルト(遊底)を手動で操作して弾倉からの弾薬の装填,薬莢の排出を行う機構の銃。)

セミ・オートマティック・ライフル-22口径の小さな拳銃から,.308猟銃までー は,民間人の購入は,すべての州で完全に合法である。

一方で,フル・オートマティック・ライフルは,厳しく規制され,極めて稀少である。

普通の民間人が銃器を手に入れることは,申し込んで 小売店での連邦経歴チェックでクリーンならば 比較的容易だが,フル・オート銃を買うことは多くの理由で,信じられないほど難しい。

第一に,フル・オート銃は,犯罪が増大し,とりわけ 機関銃の所有に対する厳密な登録を必要なものとして禁酒法時代の反映で設定された法律,1934年 連邦火器法(NFA: National Firearms Act)に従う必要がある。

オートマティック銃器の購買者には,「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局」(ATF:the Bureau of Alcohol, Tobacco, Firearms, and Explosives)により厳しい経歴チェックが求められ,指紋をとられ,購入を ローカルな法執行機関に連絡する必要がある 。

さらに,これらの銃器を,購入した州から 持ち出す場合,州境を超える前にATF(「アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局」)に通知しなければならない。

この法律は又,1934年には法外な金額だった,個々の購入に対して200ドルの税金を命じている。今日のもののように思えないようだが,それは,NFAリストでの火器とアクセサリの購入品への 追加された阻害要因であり続ける。

しかし,フル・オート火器を所有することにおける最大の障害は,そして,おそらく,銃所有者の中でも,それらがなぜそんなに極度に稀少であるか,さらに 犯罪でもめったに使用されることがないのは,1986年以降,民間人の購入のための製造が禁止されていることである。

この制限は,銃所有者と,1970年代および1980年代. ATFに悩まされていた,連邦政府のライセンスを受けた銃器販売者を保護するように策定した法律に加えられた。銃器所有者保護法(FOPA:The Firearms Owners Protection Act) は,銃所有者が火器と弾薬を州境を超えて輸送すること,銃器販売者が,ライフルと散弾銃を 他州の購買者に売ることを可能にした。

しかし,FOPA法には 民間人へのフル・オート銃の販売を制限する部分がある。これらの銃は 依然,銃器製造会社で作ることができたが,軍隊もしくは警察組織にしか売ることはできなかった。

それが意味することは,1986年以降に製造された個人購入可能な フル・オート銃器は現在 存在してないことである。この供給問題で プレミアムを価格となり,コストは20,000ドル領域によく及んでいる。

いわゆる 「セミ・オートマティック・ライフル」を 「フル・オート・ライフル」に改造できる「フル・オート・キット」を耳にしたことがあると思う。そのようなキットは存在するが,それらは,1986年 銃器所有者保護法(FOPA : Firearm Owners Protection Act)で管理されており,この部分をインストールすることを法で許可された人々しか,機関銃メーカーとしてATFによりライセンスを与えられたそれらの部品を装備できず,それらの銃器は軍隊もしくは警察機関を除く誰にも売ることはできない。

論点が,もし真実ならば,ラスヴェガスの殺人者がフル・オートの銃を使ったことは,他の悲劇的 大量銃撃事件に比べ,よりいっそう唖然とさせられる。
殺人者が そのような銃にアクセスするのは極めて稀で,入手困難であることを意味している。

(翻訳転載了)
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個人の銃の所有が国民の権利と謳う米国でも,流石に フル・オートマティックの銃を民間人が所有することには高い障害があります。
しかし,マニアは セミ・オートマティック銃を細工して フル・オートマティックに近い連射可能な銃にする者がいるということのようです。
しかも 細工に使うディヴァイスは合法だとの報道もあり,転載した記事と矛盾しているようです。

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