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2017年10月28日 (土)

“thanks to”≠「おかげで」

10月27日,日経に 「『北朝鮮のおかげ』 麻生氏が発言 衆院選勝利で」 の見出しで次の記事がありました。

「麻生太郎副総理兼財務相は10月26日,東京都内の会合であいさつし,自民党が大勝した先の衆院選結果について 『明らかに北朝鮮のおかげもある』 と述べた。政府,与党の北朝鮮対応が有権者に評価されたとの趣旨とみられるが,北朝鮮による挑発が続く中で,不適切な発言だとの指摘を受ける可能性もありそうだ。
 選挙結果に関し,北朝鮮情勢の緊迫化を受けて 『誰をリーダーにするかを有権者が真剣に考えた結果だ』 と強調した。『立憲民主党を左翼として計算すると,共産,社民両党と合わせても全議席の2割を切った』とも語った。」 と報じています。

「北朝鮮のおかげ」の発言が物議を醸しています。

相変わらず 言葉の使い方を知らない,あるいは言葉の選択に慎重さを欠く人で,何度も無用な波風を立てる困った人です。
単に 「北朝鮮の影響もある。」と言えば何の問題もなかったと考えられます。

「~のせいで」,「~ の影響で」,「~ の結果で 」などを,まとめて 「~のおかげで」 と言うのは,日本語においては意味が違っていて,正確さを欠くのです。

ところがー

「おかげで」を 英語に訳せば  “thanks to” ですが,“thanks to” を日本語に訳すと 「おかげで」 のみではなく 「~のせいで」,「~の結果」 など 「感謝の意」とは関係なく,ニュートラルの,あるいは 悪い原因による結果の場合にも使われるようです。

日本で英語を習った日本人の “thanks” という言葉に対する感覚では 違和感がありますが,
たとえばー
Thanks to the heavy rain,I came in late.
Thanks to the earthquake,tourists have decreased in number.
などと使う場合もあるようです。

「『皮肉』,『嫌味』 の意味が込められる」 と書いている英語の学習サイトがありますが,そうでもないようで,米国のNet新聞を読むと 原因が単なる事実(決して良いとは言えない)の場合に使われているのを見ます。

だから,麻生さんの発言が,海外で報じられるとき,‘thanks to’となれば,上述のように 理由となる単なる 「要素」であって 何の問題にもなりそうにありません。

だからと言って 麻生さん,「あれは 英語の “thanks to” の意味であって ・・・ 」 などと,訳の分からない言い訳をしてはいけません,あなたは日本人ですから。

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