« 誰かがやらないといけないことは ・・・ 。 | トップページ | 米国若者の STEM(理数系)離れ »

2018年1月27日 (土)

姿なき “ボンド・ガール”

Img_3230_21月23日(火) NHK BSプレミアム 「アナザーストーリーズ 運命の分岐点」で 『007 ジェームズ・ボンド誕生の真実』が放映されました。

映画 007シリーズ,特に 第一作に関する興味深い事が3件 紹介されました。

① それまで これといった作品がなかった テレンス・ヤング監督が,他の監督が引き受けなかった,下手をすると B級映画になりかねないこの映画の監督を何故 引き受けたか,ギリギリで主役に決まった,とても英国紳士の雰囲気ではなかった無名のショーン・コネリーに監督は嘆きながらも,どのように洗練された英国スパイに変身させたか。

② 今も古さを感じさせない 007のテーマ曲を モンティ・ノーマン(‘Monty Norman’,1928~ )は如何にして作曲したか,そのノーマンには書けなかったオーケストラ用スコアを,ジョン・バリー(‘John Barry’,1933~ )は何故 数日間の猶予で引き受けたか。
(*Wikipedia によれば プロデューサーがノーマンのオーケストラ用アレンジに不満で,ジョン・バリーにアレンジさせた。後に,バリーが,007のテーマは 実際は自分が作曲したと出版物に書いたため,ノーマンは2つの名誉棄損訴訟を起こし,勝訴している。)

③ ボンド・ガールには完璧な英語を喋ることが求められ,10作品で13人のボンド・ガールの声を吹き替えた,クレジットで紹介されることがなかったベルリン出身のユダヤ人声優がいたこと。
(*第5作 「007は二度死ぬ」のボンド・ガール,浜美枝さんは 若林映子さんと共に 何ヶ月間か英国のホテルに缶詰め状態で英語の訓練を受けたと聞いていたので,当時は 彼女の台詞が少なかったこともあり,吹き替えとは思わなかったか,あるいは 少し怪しいと思ったのか,50年前なので確かな記憶はありません。日本の情報機関のエージェント役の若林映子さんは,浜美枝さんに比べ 台詞が多かったにも拘らず,元々 英語が達者だったのか吹き替えはありませんでした。)

③の姿なきボンド・ガールは モニカ・ヴァン・ダ・ジル(‘Monica "Nikki" van der Zyl’,1935~ )で,英文 Wikipedia には ‘Nikki van der Zyl’として次のように書かれています。

*************************************

モニカ・ヴァン・ダ・ジルはドイツ人の声優(voice actress)で,映画 「ドクター・ノオ」で ハニー・ライダー(Honey Ryder)の声を演じたことで知られている。彼女は この映画で,ミス・マネーペニーとミス・タローを除く他の女性の声を吹き替えている。
ヴァン・ダ・ジルは 又,映画「ゴールドフィンガー」で 英語に難があった ゲルト・フレーベ(‘Gert Fröbe’, 1913~1988)の英語指導(dialogue coach)を行った。彼女はアーティスト,詩人,講演者(public speaker)の仕事をした。
(*番組内では 007のボンド・ガールの吹き替えの仕事の後,法律を勉強して弁護士になったと紹介された。)

彼女が吹き替えで参加した作品と 吹き替えた女優は次のとおり。

  • 007 ドクター・ノオ」(‘Dr. No’,1962)
        ウルスラ・アンドレス(‘
    Ursula Andress’,1936~ )
         (*当時は英語読みで アーシュラ・アンドレスと書かれた。)
        ユーニス・ゲイソン(‘Eunice Gayson’,1931~ )
        マネーペニー,ミス・タロー,シスター・ローズ,シスター・リリーを
        除く他の女優
        (1963年,日本初公開時の邦題は「007は殺しの番号」)
    007 ロシアから愛をこめて」(‘
    From Russia with Love’,1963)
        ユーニス・ゲイソン(‘Eunice Gayson’,1931~ )
        イスタンブールのホテル・クラーク
    007 ゴールドフィンガー」(‘
    Goldfinger’,1964)
        シャーリー・イートン(‘Shirley Eaton’,1937~ )
        ナージャ・レジン(‘
    Nadja Regin’,?)
        *ゴールドフィンガー役ゲルト・フレーベの英語指導
     
  • 007 サンダーボール作戦」(‘Thunderball’,1965)
        クローディヌ・オージェ(‘
    Claudine Auger’,1942~ )
        ナイトクラブの赤いドレスの女
     
  • 007は二度死ぬ」(‘You Only Live Twice’,1967)
        浜美枝
    (1943~ )
    女王陛下の007」(‘
    On Her Majesty's Secret Service’,1969)
        ヴァージニア・ノース(‘
    Virginia North’,1946~2004)
        その他の女優
     
  • 007 ダイアモンドは永遠に」(‘Diamonds Are Forever’,1971)
        デニース・ペリエ(‘
    Denise Perrier’,1935~ ) 
  • 007 死ぬのは奴らだ」(‘Live and Let Die’,1973)
        ジェーン・シーモア(‘
    Jane Seymour’,1951~ ) *一部のみ 
  • 黄金銃を持つ男」(‘The Man with the Golden Gun’,1974)
        フランコイス・テリー(‘
    Francoise Therry’,?)
        その他の女優
     
  • 007 ムーンレイカー」(‘Moonraker’,1979)
        コリンヌ・クレリー(‘Corinne Cléry’,1950~ )
        レイラ・シェナ(‘Leila Shenna’,?)
        その他の女優

  • *************************************

  • Img_3227007シリーズで 彼女が吹き替えをやったことは どの映画のクレジットにも示されておらず,又,文書としてもほとんど残っていません。
  • ただ,「ゴールドフィンガー」を撮影したイギリスのゴルフ場に,当時の撮影に関する資料が残っており,その中に,ゴールドフィンガーを演じたドイツ人俳優 「ゲルト・フレーベ」の英語の台詞指導した彼女の名前が ‘DIALOGUE COACH’としての集合時間を示したペーパーに示されていました。
  • 興味深い番組でした。

    |

    « 誰かがやらないといけないことは ・・・ 。 | トップページ | 米国若者の STEM(理数系)離れ »

    映画・テレビ」カテゴリの記事

    コメント

    コメントを書く



    (ウェブ上には掲載しません)


    コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



    « 誰かがやらないといけないことは ・・・ 。 | トップページ | 米国若者の STEM(理数系)離れ »