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2018年3月17日 (土)

フロリダ,架設中の歩道橋崩落事故の不思議。

Collapse_001
3月15日,フロリダで架設中の歩道橋(Pedestrian Bridge)が崩落し,8台の車が下敷きになって死者(少なくとも4人)が出ました。
原因は調査中とのことですが・・・ 。
それほど複雑で難しい原因とは思われません。

米国の報道によると 崩落した構造は 重量:950ton,長さ:174ft.≒53m の コンクリートとのことです。

Construction_001_2
上の写真は 運ばれた構造を両端の橋脚に載せようとしているところです。
運搬時の支持位置は端部ではなく,やや内側で,端部で支持するのに比べて発生する曲げモーメントはかなり小さい値になります。

この崩落の原因は? と考えると  53mスパン端部で支持されたコンクリート構造の自重に対する強度不足で,底面(歩道面)構造のコンクリートが,曲げによる引っ張り力で 引き千切れたことによると思います。
(コンクリートは,定性的に 圧縮には強いが,引っ張りには弱い。)

そもそも 完成状態はどのような構造の橋なのか 探して見つけました。

Completed
一本タワーの斜張橋でした。Scheme_figure

崩落した構造は 上の完成写真の右,右図の赤いスパン部分で,構造上下を結ぶ斜材の角度がそれぞれ異なっているのは, 完成時の5本のワイア・ケーブルの延長線上に配置するためです。

ワイア・ケーブルで支点間の5ヶ所を支持するように設計された構造を,途中支持なしの53mスパンでは自重のみでも強度的に無理があったということのようです。

ワイア・ケーブルでサポートされるまでは,少なくとも 中央分離帯に支持台を設置すべきでした。
それでも十分だったかどうかは疑問です。
(もし,仮支持台を設置していたとしても 交通制限をしてなかったので 中央に1基のみ。)

架設時の強度検討がされてなかったというお粗末(?)ー ということでしょうか。

しかし,上述の推定が正しければ,こんな簡単なことを関係者が考えなかったことが ・・・ 不思議です。

【追記 2018/3/18】
・自重 950ton は米国の報道そのままですが,どうも単位が ヤード・ポンド法のショート・トン(short ton)のようです。
我々が通常使う単位の トン(メトリック・トン)に換算すると 1ST=2,000lb(ポンド)=0.90718474MT(メトリック・トン)なのでー
   950ST≒862MT です。

・その後の米国の報道を見ていると コンクリート構造のストラット(‘strut’,歩道面と屋根を結ぶ部材)にケーブルでテンションを与えていて それによるクラックが見つかっていたとのことです。
  ある長さのコンクリート部材内に通したケーブルを端部間で引っ張ると,コンクリートには圧縮力が生じ,圧縮力に比べて引っ張り力に弱いコンクリートを イニシャル・圧縮状態(Pre-Compressive Condition)として 引っ張り力が生じた時に低めの引っ張り応力に抑えようとしていたと考えられます。
*土木建築学的には “pre-tensioned concrete” というらしい。
ケーブルには確かに ‘pre-tension’ を与えているが コンクリートに対しては ‘pre-compression’で,これが目的なので名前が逆ではないか・・・ と思う。

【追記 2018/3/19】
その後の報道では,この橋は 「トラス橋」であり,工事が行われてない,斜張橋の形となるタワーとケーブルは 「飾り」だとのことです。
だから このような架設方法が採られたということなら納得できます。
では 崩落の原因は?

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