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2018年6月29日 (金)

世界最大の “Sailing Yacht”,名前は “A”,オーナーは ロシアの億万長者

World Largest Sailing Yacht’で検索すると “A(sailing yacht)” が出てきます。

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帆だけでは走れないようで 厳密には ‘sail-assisted motor yacht’で,その範疇では世界一の大きさであり,しかも ‘private yacht’です。

CNN News は 2017年2月8日付け “Sailing Yacht A: the world's tallest yacht”の見出しで 次のように伝えています。(管理者拙訳)

「ロシアの億万長者 アンドレイ・メルニチェンコ(Andrey Melnichenko)の最新の冒険である,セイリング・ヨット “” が,遂にドイツ,キールのノビスクルグ造船所を離れて,引き渡し前の最終海上試運転に入った。
推定価格 4億5千万ドル(約500億円 @\110/$)のこのヨットは 自由の女神より高く,143mの長さは世界のスーパーヨットで8番目に長くなる。3本の 90mを超すカーボン・マストはどの船よりも高い。
計画航海速力は 16ノット,最高速力 21ノットで,帆の合計面積はサッカー競技場と同じ。

メルニチェンコ氏は,フォーブスによれば 資産 116億ドルで,世界で139番目の富豪であり,既に保有する 119mのモーター・ヨット “A” に,セイリング・ヨット “A” を加えることになる。

メルニチェンコは,アルファベット順の船舶登録簿のトップになるように 両方のヨットに “A” と名付けている。

・・・ 」

*500億円の建造費は,L=400m,20,000TEUの世界最大クラスのコンテナ船が 2,3隻造れそうです。

*ヨット(Yacht)の定義は 「個人の ‘pleasure’もしくは ‘sports’目的の船」であって,厳密には商業目的の船は外れますが,‘private yacht’という言葉があるので やや曖昧です。
帆の有無は関係なく,上述の 「スーパーヨットで8番目に長い」は上位7隻が 帆のないヨットであることを意味します。

下は 「モーター・ヨット “A”」(手前)と 「セイリング・モーター・ヨット “A”」が並んだ写真です。両船とも,船長 119m と 143m あるようには見えないシンプルで,斬新なデザインです。 A_and_a
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本船の概要を下記に示します。(英文 Wikipedia より)

名前(Name)                    A
船主(Owner)                  Andrey Melnichenko
登録港(Port of RegistryHamilton, Bermuda
発注(Ordered)                2011年3月
建造(Builder)                  Nobiskrug Shipyard,Germany
進水(Launched)              2015年4月
引き渡し(Delivered)         2017年5月

主要目等

Gross Tonnage     12,558 tons
L                        142.81m(468.5 ft)
B                         24.80m(81.4 ft)
Height             ~100.00m(328.1 ft)
Draught              ~8.00m(26.2 ft)
Decks                    8

Diesel powerplant: MTU 20V 4000 M73L 24,050rpm 3,600 kW(4,830BHP) lineshaft engines(×2)
Electric powerplant: four 14,050–24,050rpm 2,800 kW hostel generators(×4) driving two Vacon 4,300 kW lineshaft motors(×2)
Transmission: superimposable/clutched diesel-electric transmission controlled by DEIF systems
Propeller:5-bladesd controllable-pitch propeller(×2)

*日本語で分り易く示したサイトがなかったので 上記 英文の,エンジン,推進器部分のシステムを専門外ながら推定するとー

2機のディーゼル・エンジン(3,600kW×2)で 4機の発電機(2,800kW×4)を回して発電し,この電力でモーター(4,300kW×2)を回して これに繋がる 2基の5翼可変ピッチ・プロペラで推進。プロペラは翼(blade)の角度(pitch)を変えられるタイプのもので,同じ回転方向,回転数をキープしながら翼角度を変化させてスピードを変えられるのは勿論,前進から後進に変えることも可能。

エネルギーロスを最小とするには,変速ギアを介して ディーゼル・エンジンとプロペラ・シャフトを直結すればよさそうですが,ディーゼル・エンジンで発電機を動かして電気を生み出し,それでモーターを回してプロペラを動かします。
おそらく ディーゼル・エンジンをコントロールするのに比べれば はるかに電気でコントロールするのが容易ということでしょう。

Wikipedia に示された MTU Diesel Engine の回転数 ‘24,050rpm’はあり得ない値で,正しくは ‘2,050 rpm’と思われます。(rpm : rotations per minute
通常,貨物船に搭載される低速ディーゼル・エンジンは 100rpm 前後の回転数で,プロペラ・シャフトに直結されます。

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デザインがシンプルで,単体の写真だと大きさが掴みにくいので,ドック内に浮いていて 他の構造(車や建物)との比較が可能な写真を示します。

さらにネットで見つけた写真を掲載します。

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crew は54名とありました。

おそらく 「最大キャパシティ一の招待客を乗せて,パーティーを開きながらクルージングする」という状態における必要 crew が54名ということでしょう。

単にオーナー家族が乗ってクルージングするだけなら,おそらく 甲板部も機関部も最大限の自動システムが採用されているでしょうから,crewは15名程度で充分でしょう。
しかし,そのような目的なら これほど巨大な モーター・ヨットは不要です。
貨物船の乗員数は20名ほどで,昔,私が乗って日本からヨーロッパまで行った時の台湾のコンテナ船は コック1名を含み乗員 17名でした。

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この船が通れる吊り橋は世界中に存在しません。
明石海峡大橋の航路高(海面から橋桁まで)でも 65mです。

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