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2018年7月19日 (木)

アメリカ人が信じる神とは?

映画 『コンタクト』(‘Contact’,1997)で,ヴェガから届いた電波に示された設計図で作られた移動マシーンの乗員を決定する審議会で,アロウェイ博士に対して 宗教哲学者にして政府宗教顧問,審議会委員 パーマー・ジョスが 神の存在に関する質問をするシーンがあります。
科学的試みへの搭乗員選考審議会のメンバーに宗教家を加えることが,不思議ですが,科学的トライアルの乗員を宗教観で選別することが,米国では不思議ではないと思わせる怖さがあります。21世紀になるまで,創造論を信じる人が 50% を超えていた国ですから これは当然のことかも知れません。

Pew Reasearch Center’ 2018/4/25に ‘When Americans Say They Believe in God, What Do They Mean?’(アメリカ人が神を信じると言うとき,何を意味しているか?)というタイトルの報告がありました。
サブタイトルとして ‘Nine-in-ten Americans believe in a higher power, but only a slim majority believe in God as described in the Bible’(アメリカ人の10人中9人は 崇高なる力を信じているが,聖書に述べられている神を信じている人は 過半数ギリギリ)とありました。

主要部分のみ翻訳転載します。

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これまでのピューリ・サーチセンターの研究によると,近年,絶対的確実性をもって神を信じるアメリカ人の割合は減少しており,神の存在に疑問を抱いている,あるいは神を全く信じていないという割合が大きくなっている。

これらの傾向は,一連の疑問を提起する。
神を信じていないと答えた回答者は,何を受け入れないのか? 彼らは,宇宙の,より崇高な力(higher power)や霊的な力(spiritual force) に対する信念も受け入れないのか?

あるいは,彼らは神 -おそらく空の,髭のある男のイメージを想起させるー伝統的なキリスト教の考えだけを受け入れないのか? 反対に,神を信じていると言う回答者は何を信じているのだろうか? 聖書に示されるような神,あるいは他の霊的な力や最高の存在だろうか?

米国の4,700人以上の大人を対象とした新しいピュー・リサーチセンターの調査によると,アメリカ人の3分の1が聖書の神を信じていないと言っているが,宇宙には他の,より崇高な力や霊的な力があると信じている。

米国人のぎりぎり過半数(56%)は,「聖書に示されている」神を信じていると言う。そして,10人中1人は,如何なる,より崇高な力や霊的な力も信じてない。

しかし,聖書に記されているような神でなくとも,宗教的に 「ノー/“nones”」の人の約4分の3(72%)は何らかの崇高な力(higher power of some kind)を信じている。

・・・

調査の他の部分では,「聖書に記載されている」神を信じていると言うアメリカ人は,一般に、自分の人生の大部分または全部を決定する,全能で,全知の愛情のある神を想像していることが明らかである。

対照的に,聖書に記されているような神ではなく 「より崇高な力や霊的な力」を信じていると言う人は,人間活動で 全能(omnipotent)で,全知(omniscient)で,善意ある(benevolent)能動的な神格を信じる可能性ははるかに低い。

全般的に,アメリカ人の約半数(48%)は,神や他のより崇高な力が,常に,あるいはほとんどの自分の生活の中で何が起こるのかを,直接決定すると言う。 加えて 18%は,神や他の崇高な力が,彼らに起こることを決定するのは 「ほんの一部」(“just some of the time”)と言う。

ほぼ10人中8人の米国の大人は,神あるいは崇高な力が自分たちを守っていると思っており,3分の2は全能者による恩恵を受けてきたと言っている。比較すると,多少なりとも神を裁きと懲罰と見なしている。

10人中6人のアメリカ人は,神あるいは崇高な力は,自分たちががやったことですべての人々を裁き,10人中4人は神あるいは宇宙に働いていると信じている霊的な力に罰せられたと言う。

さらに,アメリカの大人の4分の3が神(あるいは宇宙の別の崇高な力)に話しかけようとしていると言い,米国人の10人中3人は神(あるいは崇高な力)が返事をすると言う。

この調査では,祈りの頻度(rates)についても個別に質問した。 定期的に祈っている人は,神に語りかけ,神が彼らに返事すると言いがちである。 しかし,この調査によれば,祈りと神と話すことは完全に互換性があるものではない。

例えば,10人中4人(39%)が,まれにしか,あるいはまったく祈ってないと言っているにもかかわらず,神に語りかけると報告している。

これらは,ピュー・リサーチセンターの全米の代表的な米国のトレンド・パネルの4,729人に対して 2017年12月4日から18日にかけて実施された,新しい調査の主要な調査結果であり,全調査のサンプリング誤差は±2.3% ポイントである。

米国民の神に関する信念を調査するために,まず シンプルに 「神を信じますか?信じませんか?」と訊いた。

「はい」と答えた,回答者の80%に対して 「聖書に記載されているような神」を信じているのか,あるいは 「聖書に記載されている神を信じてないが,宇宙に他の崇高な力や霊的な力の存在」を信じているのかを,さらに明確にする質問をしている。

このグループのほとんどの人 - 実際は,全てのアメリカ人のギリギリの過半数(56%) -は 聖書に記されている神を信じていると言う。

最初の質問に,神を信じていない(すべての回答者の19%)と回答した人には,更に質問した。
彼らには,「聖書に記されている神を信じてないが,宇宙の他の崇高な力や霊的な力の存在を信じる」か,あるいは逆に,「いかなる宇宙の崇高な力や霊的な力の存在も信じない」のかを訊いた。

このグループのうち,およそ半分(米国の大人の10%)は,彼らはどんな種類の崇高な力も霊的な力も信じていないと言う。

全回答者の 3分の1は,聖書の神を信じていないが,ある種の崇高な力 あるいは 霊的な力を信じており,そのうち,当初,神の存在を信じていると答えた人が23%,当初,神を信じていると答えた人が 9% である。

Believe_in_god
神または 他のより崇高な宇宙の力を信じていることについてのさらなる質問をすると,聖書に記されている神を信じる者と,別の種類の崇高な力や霊的な力を信じる者とは,大きく違った見解を示す。

簡単に言えば,聖書の神を信じる者は,より強力で,意図的で,慈悲深く活発な神を知覚する傾向がある。
例えば,聖書の神を信じていると言っているほとんどすべての成人は,彼らの過ちにかかわらず,神がすべての人々を愛しており,神が守ってくれていると考えている。

聖書の神を信じている10人中9人以上の人々は,世界で起こっていることすべてを知っている神を想像し,ほぼ10人中9人は 神が彼らに恩恵を与え,世界で起こる全てを指示し,あるいは変える力を持っていると言う。

他のより崇高な力や霊的な力(しかし聖書の神ではない)を信じる少数の人々は,これらの属性や行動を,そのより崇高な力のせいとする。

更に,このグループで半分以上の人が,宇宙の崇高な力は全ての人々を愛し(69%),全能であり(53%),自分たちを守り(68%),恩恵を授けている(53%)と答えた。

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まとめると 米国人の 80%は 神(聖書の神に限らず)を信じ,10%は神ではないが 何らかの力を信じ,残り 10% が神や神秘的力など何も信じない,ということのようです。

『コンタクト』のアロウェイ博士は 最後の10% だったので,選考から外されました。

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